インタビュー

レーベル・オーナーとして、プロデューサーとしても大活躍!

 〈広告ひとつ出すお金があったら、12インチのアナログ盤をプレスできるんだよね……〉というようなことを、以前本人の口から聞いたが、インディー体制になってからの曽我部は、とにかく〈出そうと思ったときが出すとき〉とばかりに多作であった。ここで紹介しているディスコグラフィーに現在入手不可の12インチや限定盤、配信のみの作品も加えると、かなりの量である。さらに自身のレーベル、ROSEを立ち上げてからは自身の作品はもとより、彼のアンテナに触れるものであれば、ジャンルや派手さ地味さは関係なくさまざまなアーティストを輩出。静岡のアシッド・フォーク青年、tomohiro with music tape recordersを皮切りに、宅録スウィート・ソウル・スウィンガーのLANTERN PARADE、ガレージ・ギャル・バンドのTHE SUZAN、〈香川のジョアン・ジルベルト〉こと島津田四郎に結成18年目でアルバム・デビューしたThe COMMONSなど、4年半あまりで60以上というのは、アーティストが自身の活動と並行して運営するレーベルとしてはかなり活発だ。

 その一方、ROSE以外でのプロデュース・ワークや楽曲提供などもそこここに。小泉今日子、〈21世紀東京のハリー・ニルソン〉こと関美彦、ジャニーズ・クラシック“ブルドッグ”をハード・ロッキンにアレンジして提供したTOKIO、デビュー以来頻繁に曽我部マインドを注ぎ込む柳田久美子など。今年に入って発表されたものでは鈴木慶一のソロ・アルバムでの全面プロデュース・ワークが光った。また、2004年には映画「青い車」の音楽も手掛けている。
▼文中に登場したアーティストの作品を一部紹介。

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掲載: 2008年05月08日 18:00

ソース: 『bounce』 298号(2008/4/25)

文/久保田 泰平