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インタビュー

プライズだけじゃない! 顔役たちが集うフロリダ・シーンの現状

 マイアミじゃなく、もはやフロリダと括るべきだ。マイアミ・ベースの原産地としてのみ認識されていた10年前、あるいはトリック・ダディやトリーナを擁するスリップン・スライドが奮闘するのみだった5~6年前の状況がウソのように、大陸の南端に位置するフロリダ州はいまやUSヒップホップ・シーンのド真ん中で存在感を放つ重要なエリアとなった。その要因としてリック・ロス、プライズ、フロウ・ライダーの連続ブレイクがあったことは疑いないが、また別の理由としてはプロデューサー陣の層の厚さも挙げられる。クール&ドレー、ランナーズ、ジム・ジョンシン、ジャスティス・リーグなど、それぞれがフロリダを拠点としながら幅広いエリアの作品を積極的に手掛けてきた成果が、ここにきて地元の大爆発を誘発したのだろう(フィリーから移住してきたスコット・ストーチも重要だ)。ジム・ジョンシンがダニティ・ケイン“Show Stopper”やリル・ウェイン“Lollipop”といったNo.1ヒットを連発する注目株となっているように、いまや地域性を切り離した部分でもフロリダのクリエイターたちは大人気なのだ。そのリル・ウェインやリル・ジョン、ファット・ジョーのように他地域のアーティストがフロリダ内に拠点を設ける例も増えているし、下で紹介した以外にもブリスコら地元の新顔は続々と登場している……このムーヴメントはまだまだ加熱していきそうだ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年08月21日 21:00

ソース: 『bounce』 301号(2008/7/25)

文/出嶌 孝次

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