インタビュー

JIM JONES(2)

俺は君臨する

 その言葉通りのヒットを放って“We Fly High”の成功がフロックじゃなかったことを証明して見せたジムは、いまやNYのシーンを代表するほどの存在だと言えるし、次世代の〈King Of New York〉としての風格も十分じゃないだろうか。その自負はジムにもあるのだろう、自信に満ちたアルバム・タイトルからもそれは窺える。

「レイン(reign)っていうのは〈王者が君臨する〉とかそういう意味があるんだけど、いままで俺がやってきたこととか、そういうのをいろいろ考えたらこれしかなかったんだ」。

 そんな王者は先述したように、「デス・ロウとかマスターPのところ(ノー・リミット)みたいなレヴェルで成功できると信じてる」と語るクルー、バードギャングも率いている。前作にも参加したプロデューサーのチンク・サンタナ、メル・マトリックス、オーシーら構成員は『Pray IV Reign』でも大々的にフックアップされ、勢力の拡大も忘れちゃいない。さらにリュダクリスやライアン・レスリーらもラインナップされているが、内部分裂中(修復中?)のディップセットから盟友ジュエルズ・サンタナが参加しているのはファンにとって特に嬉しいトピックだろう。

 ジムとサンタナと言えば、E1の重役に就任したジムが、サンタナ率いるスカル・ギャングと契約したことも話題となったし、今後はストリート以外でもそのハスリング手腕を発揮してくれるはずだ。

「俺の才能はハスリングなんだ。音楽という意味では何でもできるマルチ・タレントってわけじゃないけど、ハッスルにかけては俺の右に出るヤツはいねえよ。俺は、これと決めたことに対してはがむしゃらにハッスルするし、音楽もそのひとつだった、ってことさ」。

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掲載: 2009年05月21日 09:00

更新: 2009年05月21日 17:20

ソース: 『bounce』 309号(2009/4/25)

文/升本 徹