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インタビュー

RED SPIDER(2)

みんなの知ってる曲が少なすぎる!

 レゲエがこの日本でさらに根を張るべく続けられるRED SPIDERの活動。「実際レゲエ人口なんてたかがしれてるし、ホンマにこれから。この先も増えてもらいたいし、そのための作業はしていかなアカンと思う」――『KRAZY LOVE MIX』もそうした活動の一つであり、レゲエの現場をさらに燃え上がらせるための大切な一歩なのだ。

 「大きな舞台に立つ機会も昔より増えたし、コアなリスナーばかりの現場だけじゃないから、場所によってはできるだけみんなが知ってる曲をかけようと心掛けているけど、〈みんなの知ってる曲があまりにも少ないな!〉と感じる時がある。そんな時は俺の選曲の幅もずいぶん狭まるし、それを広げたいって思いもあって今回みたいなミックスCDは重要だと考えています。レゲエってラヴソングがあったり、攻撃的なのもあったり、メッセージもあったり、お笑いもあったり……こんな自由な音楽ってなかなかないと思うんですよ。俺はそういうところに惹かれたし、みんなにもいろんなレゲエを知ってもらいたい」。

 ちなみに、「いまのシーンにないもの、誰もやってない新しいことをやっていきたい」と話すJUNIORがめざすRED SPIDERとしての目標は、甲子園球場でのワンマン・イヴェント。一方、プロデューサーとしてはさまざまなジャンルの人とも組んでみたいのだとか。

 「マヴァードとか(ヴァイブス・)カーテルは渋いけど、いまのジャマイカのシーンはガン・ビジネスばかりでしんどい! 向こうのダンスに遊びに行ってもバッドマン・ネタかダンス・ネタばっかり。別にジャマイカのマネする必要もないし、俺は自分が好きな曲を聴いて、自分が好きな曲をかけるようにしてる」。

 そう話す彼の反骨精神が、サウンドマンとしてのプレイのみならず、今後のプロデュース・ワークにもますます反映されていくことを期待したい。

▼関連盤を紹介。


シャバ・ランクスの91年作『As Raw As Ever』(Epic)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2009年07月29日 19:00

更新: 2009年08月21日 10:42

ソース: 『bounce』 312号(2009/7/25)

文/一ノ木 裕之