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インタビュー

可愛いだけじゃない、エミー・ザ・グレイトの魅力!


  サミュエル・ベケットやイーヴリン・ウォーらにインスパイアされつつ、現代の文学少女ならではの目線を交錯させた歌詞の見事さに、まず脱帽。バック・メンバー2人と共にバンド形式で21世紀のリアル・フォークを紡ぐエミー・ザ・グレイトことエマ・リー・モス嬢は、香港で育ち、12歳でUKに戻った英国人と中国人のハーフだ。2006年に一度デビューするも、過剰に〈美少女シンガー〉としてプロデュースされそうになったため、自主レーベルを立ち上げて以降はそこから作品を発表。このファースト・アルバム『First Love』も、みずから見つけた納屋に機材を運び込み、セルフ・プロデュースするなど徹底したDIY姿勢を貫いている。

 香港での中国式教育からの逃避として音楽や文学に没頭した経験を、美しくもユーモアがあり、それでいて魂の叫びも感じさせる旋律や言葉へと昇華。BPAやライトスピード・チャンピオン作品への客演経験も持つ彼女の名前が、世界中に広まる日も近いだろう。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2009年08月05日 18:00

更新: 2009年08月05日 18:01

ソース: 『bounce』 312号(2009/7/25)

文/妹沢 奈美