SD JUNKSTA(2)
クソガキのVシネみたいな
そうした作業のもと、完成図を誰も描けてなかったこのアルバムをゴールに導いたのは他ならぬNORIKIYOだ。「キーくん(NORIKIYO)が指示してって、それにみんなが乗る形でイイのがどんどん出来ていった」(DJ ISSO)というレコーディングで、メンバーに対するNORIKIYOの指示は細かいところにまで及んだという。
「曲のテーマは作る奴ら発信だけど、俺の網にかけてちょっと俺の考えも言っていいすか?みたいな。ラップの言い回しとか録り方にも意外と口出したし、そういう話は常日頃からみんなでしてた」(NORIKIYO)。
果たして、『GO ACROSS THA GAMI RIVER』はメンバーそれぞれが納得する仕上がりとなったようだ。
「どうせなら良いアルバムを作りたいから意気込んでやったけど、いきなり反省から言うと、俺はちょっとダラダラしちゃって足も引っ張った(笑)。でも、それでもいいのが出来たから良かった」(BRON-K)。
「時代に囚われず、変わらないものを軸にしつつ、個人的にもすげえ新しいフロウが試せたし。監督がキーくんでアクターが俺たちっていう、一枚通して映画みたいなアルバムになった」(OJIBAH)。
「クソガキのVシネマみたいなね。21曲あるけど、超ふざけてるやつ、ギャグからシリアスなやつまでいろんな種類を散りばめた。言ってる内容も(各々で)違ってたりするし、個々のノリも出てる。まあ、ライヴにも来て、指さして笑ってくれ、っていう(笑)」(NORIKIYO)。
それぞれのラップ・スタイルの違いをあきらかに、気ままなノリから磨き上げられた『GO ACROSS THA GAMI RIVER』は、SD JUNKSTAとしての作品を待ち望む多くのファンの溜飲を下げることだろう。だが、繰り返すまでもなく、彼らは各々でスタイルを持ち、ソロの活動もそれぞれ待っている。秋にはクルーのグラフィティー・ライターと組んだパーティーと共にKYN、OJIBAHの各ソロ作が、そして年末までにはBRON-KのミックスCD、順調に行けばNORIKIYOの新作も年末から年始にかけて登場するという。メンバー間の足し算を今後大きくするのも小さくするのも個々の動きだとすれば、メンバーはそれぞれどんな絵を描く?
▼SD JUNKSTAメンバーが客演した近作を一部紹介。
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