抜群のポップセンスが窺える大橋ワークスをザ~ッとおさらい! (その1)
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『Soundtrack』 PATCH WORKS(2006)
『I Got Rhythm?』ではアート・ディレクションも手掛けている映像作家、柿本ケンサクが監督を務めた映画のサントラ。収録曲は少ないが、エレクトロニカ、ジャズ、ファンクなど多彩なスタイルの楽曲が並び、大橋の歌声を聴くこともできる。ちなみに映画の主役は大橋の盟友・村上淳。
大橋トリオ
『PRETAPORTER』 PATCH WORKS(2007)
大橋トリオとしての記念すべきデビュー・アルバム。アコースティック・ギターの軽快なカッティングに絡むフェンダー・ローズの柔らかな音色など、シンプルながら生楽器のアンサンブルが巧い。ジャズやボサノヴァ、ソウルをサラリと織り交ぜたフォーキーなサウンドは、マイケル・フランクスあたりに通じる心地良さだ。
バウムクーヘン
『Soundtrack』 PATCH WORKS(2007)
柿本ケンサク作品のサントラとしては2枚目。映画はファンタスティックなラヴストーリーといった趣で、音楽もそれに合わせたギターと鍵盤程度のミニマルな編成による柔らかなメロディーが紡ぎ出されている。日溜まりの温かさを感じさせる大橋風室内楽ともいえるだろう。
大橋トリオ
『THIS IS MUSIC』 PATCH WORKS(2008)
前作より音の厚みが増し、力強さを感じさせるセカンド・アルバム。全体的に60年代のアメリカン・ロックを思わせるアーシーなアレンジが印象的で、はっぴいえんどみたいなナンバーがあったりも。ロード・ムーヴィーを思わせるリリシズムがゆっくりと醸し出されていくなか、“We're Waiting”のジャジーなピアノ・プレイが鮮やかだ。
大橋好規
『borderless』 PATCH WORKS(2008)
「TOKYO BANDITS!!!!」「バウムクーヘン」など、これまでに手掛けたさまざまな映画のサントラ楽曲をまとめた編集盤だが、通して聴いても違和感なく楽しめる。ジャズ度が濃くインストが中心なだけに、歌モノ以上に彼のミュージシャンとしての本質を感じさせているのが興味深い。
小泉今日子
『Nice Middle』 ビクター(2008)
2曲で作曲・編曲・プロデュースを担当。バンジョーの音色をスパイスにしたウェスタン風味な“恋する男”、ホーン・アレンジが心地良いシティー・ポップ“あなたと逃避行”――どちらも曲の風景が浮かび上がる演出で、ヒロイン=小泉今日子の魅力を引き出している。
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カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2009年11月25日 18:00
更新: 2009年11月25日 18:23
ソース: 『bounce』 316号(2009/11/25)
文/村尾 泰郎