インタビュー

抜群のポップセンスが窺える大橋ワークスをザ~ッとおさらい! (その2)

大橋トリオ
『A BIRD』
 rhythm zone(2009)
参加ミュージシャンが増えて、バンド・アンサンブルの表情も豊かになったメジャー移籍後初のミニ・アルバム。基本的にトラックは大橋ひとりで作り込まれているものの、ドラムとベースにゲスト・ミュージシャンが入ったことでリズム・トラックを強化。ここで生まれたグルーヴ感が新作へと繋がっていった。またファルセットを使ったりして、シンガーとしての成長もじわじわと。

余命1ヶ月の花嫁
『Soundtrack』
 ソニー(2009)
病と闘って散った、ある女性の感動の実話を映画化、というわけでサントラも映画の雰囲気に合った美しいメロディーが際立っている。曲によっては哀しげなストリングスが入るものの、扇情的になりすぎず、ドラマにすっと溶け込むナチュラルな仕上がりだ。

信近エリ
『hands』
 HILLS(2009) 
大沢伸一のプロデュースでデビューしたシンガーが3年半ぶりに発表した最新作。ここで大橋は“DEEP BLUE”を提供し、珍しく歌詞も書いている。R&Bに影響を受けた信近のソウルフルな歌声と、彼のピアノが〈デュエット〉する力強いバラードだ。

カコイミク
『DIGIDIGI LALA』
 PATCH WORKS(2009) 
関西出身のシンガー、カコイミクの最新作を大橋が全面プロデュース。カコイは友達の薦めで大橋トリオを知って気に入ったとか。アコースティックでメロウなサウンドは大橋トリオの世界にも近く、音のスペースを十分に取って彼女の甘くハスキーな歌声の魅力をくっきりと際立たせている。歌と音の相性はバッチリ。

持田香織
『moka』
 avex trax(2009) 
ショーン・レノンやSAKEROCKも楽曲を提供した持田香織(Every Little Thing)のファースト・ソロ・アルバム。大橋が提供した“静かな夜”は、ストリングスでゆっくりと盛り上げていく清純なバラードで、彼の甘いコーラスが隠し味となっている。

VARIOUS ARTISTS
『ジブリmeets BOSSA NOVA』
 ユニバーサル(2009) 
Jazztronikや土岐麻子も参加した、ジブリ・アニメの主題歌をボサノヴァ・アレンジでカヴァーしたコンピ。ここでは大橋トリオとして参加し、ジョアン・ジルベルトを思わせる繊細なタッチで“風の谷のナウシカ”を歌っている。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2009年11月25日 18:00

更新: 2009年11月25日 18:23

ソース: 『bounce』 316号(2009/11/25)

文/村尾 泰郎