『Kala』から一般化した〈ポストM.I.A.〉的な動きを総まとめ!!――(2)
HNC 『CULT』 WHITE LILY(2009)
マージナルなリズムを採り入れたウェルメイドな自家製ブレイクビーツが楽しめる傑作。こういう感じのDIYマナーな女性アクトの存在感はおしなべてM.I.A.との同時代性で解釈できるでしょう。
RIHANNA 『Rated-R』 SRP/Def Jam(2009)
曲自体のムードはそうでもないけど、“Rude Boy”のPVはM.I.A.の“Boyz”そっくりということで論議を招くことに。ちなみに監督のメリーナ・マツオウカはビヨンセやカイリーも手掛ける売れっ子ディレクターですが……。
Saori@destiny 『WORLD WILD 2010』 D-topia(2010)
バイリ・ファンキやファンコットがポップな選択肢として普通にありえる時代の到来を告げました。
CROOKERS 『Tons Of Friends』 Southern Fried(2010)
本作にはケリスらの爆裂猛女と並んでライ・ライが参戦。8月には彼女も参加したカウント&シンデンのオリジナル作が登場しますよ!
KE$HA 『Animal』 RCA(2010)
大ヒットした“Tik Tok”を中心とする全体のイメージはマヤ様も揶揄った通りだが、それは彼女の提唱した音世界すらメインストリームのポップスが消化し尽くしたことの証拠でもある。とはいえ、カラリとしたオールド・スクーリーなビースティ・ガール感覚はケシャならでは。
VAMPIRE WEEKEND 『Contra』 XL(2010)
こちらに収録された“Diplomat's Son”は、M.I.A.の“Hussle”をサンプリングしたもの。こういったインディー・ロック界隈からの厚い支持もあって、M.I.A.がスレイ・ベルズに注目するに至ったのかも。
UFFIE 『Sex Dreams And Denim Jeans』 Ed Banger(2010)
本作は、待たれすぎて忘れられかけていた(失礼)女性エレクトロ・ホップの真打ち的な一枚。フレンチなイメージの強い彼女も実はフロリダ生まれだそうで、ブーティーな魅力が備わっているのは当然。
カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2010年08月02日 18:58
更新: 2010年08月02日 18:58
ソース: bounce 323号 (2010年7月25日発行)
文/出嶌孝次