INTERVIEW（2）――お互いの良さが出るものに
お互いの良さが出るものに
――カジくんの断言が出ました（笑）! ということで、『TEENS FILM』の話にいきましょう。最初からアルバムにする予定だったんですか。
カジ「いや、元はミニ・アルバムのつもりだったんだけど、作りはじめたらおもしろくなっちゃって」
TA-1「レコーディングも調子良くて、これはフル・アルバムにしましょう、と」
カジ「最初、春に（ミニ・アルバム用の）レコーディングをして、そのあと夏にもスタジオに入ったんです」
――制作自体はどういうスタイルだったんですか。
カジ「基本は僕が曲を作って、それをTA-1くんがアレンジして、って感じでしたね」
TA-1「いっしょにアレンジもしたけど、演奏するのはバンドだから結果的にそういう形になりましたね。カジさんから曲をもらうと、必ずメモがあるんですよ（笑）」
カジ「〈シティー・ポップス〉〈アーバン・ソウル〉〈山下達郎〉とか書いてて（笑）、そこからTA-1くんがいろいろ考えてくれたんです」
TA-1「〈ガールズ・ポップ〉〈ジャングリー〉とか僕の知らないのが書いてあると、〈これってどんなのですか?〉って訊いてCD貸してもらったりしてましたね（笑）」
――基本、TA-1くんの根っこはブラック・ミュージックだから、ギター・ポップやポップス的なものを今回作業しながらより吸収していったとこもあるんですね。
TA-1「もう吸収しまくりでした。〈いいな〉と思ってレコード買ったりしましたよ（笑）」
カジ「でも自分もやってる間に、トライブ・コールド・クエストのファーストとかしばらく聴いてなかったからTA-1くんに借りたり、あと作ってる間に、TA-1が『HIGH SCHOOL IS HIGH』（TA-1が高校時代に聴いていたヒップホップで作ったミックスCD）を出したので、それを聴いたりしたんです」
――お互いにいい影響をし合えたと。さて、アルバムは活き活きとした楽曲揃いで両者の良さが出た作品になりましたね。
カジ「やっぱり、お互いの良さが出るものになればと思ってましたね。全体的に、TA-1くんが俯瞰してバランスを見てくれてたのは大きかった。いっしょにアレンジしたけど、やりすぎちゃったとこを考えて修正してくれたり、総合プロデューサーみたいな感じでした（笑）。印象的だったのが、僕が書いた曲を聴いてTA-1くんが〈この曲のこのメロディーラインがいちばん美味しい部分ですよ〉って言って、そこを活かすアレンジをしてくれてたことで」
TA-1「とにかく突き抜けるように聴こえるためにって、カジさんといろいろアレンジを試しましたね」
カジ「でも音を重ねるんじゃなく、シンプルですごくいいバランスのものができたらとは思ってました」
