INTERVIEW（4）――1曲1曲を大事に
1曲1曲を大事に
――“First kiss”は西野カナさんをはじめとする、さまざまなプロデュース・ワークを経た作品になってると思いました。
GIORGIO「移籍第1弾だし、2年ぶりのSo'Flyだから、うちらを知らない人もたくさんいると思うんです。そんななかで自分たちをヒップホップとかR&Bに特定したくなかった。それに、いまってアイドルもヒップホップみたいな曲を歌ったりするじゃないですか。音はいっしょで、歌い手がアイドルかアーティストかラッパーかっていう違いしかない。実際僕自身、アイドルに曲を提供することもあれば、ウェッサイな横浜のラッパーのトラックを作ることもある。でも作ってる段階でのマインドはいっしょなんですよ。そういう状況のもとで、たくさんの人に聴いてもらうための音楽を作った。それが“First Kiss”です」
――特に最初の2曲“First Kiss”と“サヨナラのPromise”は、間口の広い、これまでにない親しみやすさを感じる曲ですね。それでいて、So'Flyならではのバランスは変わらず保たれているなと。
GIORGIO「ポップスに走りすぎてるわけではない。もっとキャッチーにしようとしたら歌だらけにしたと思うんですけど、僕自身もMCとしてたくさん参加してますしね」
――2曲とも、メロディーや歌詞のストーリーが切ない感情を掻き立てます。
GIORGIO「胸キュンな感じだし、冬に合うタイプの曲ですよね。この2曲を聴いてもらったうえで、〈実はこういう楽しい曲もできちゃうんだよ〉って証明するのが3曲目の“DAY DREAM”です」
――“DAY DREAMER”はBENNIE KのCICOさんをラップでフィーチャーしていて、かなりヒップホップ色の強いナンバーですね。
GIORGIO「これはもう個人的に大好物の楽曲ですね。CICOちゃんも最高だし、この曲で終わることでアルバムに繋がるかなと」
――これは、改めて自己紹介する、みたいな意味合いのシングルになるんでしょうか。
GIORGIO「まさにそうです。このシングル一枚で、So'Flyのすべてを知ってもらおうとか、通なリスナーも唸らせようとは思ってない。無理のないSo'Flyを見せて興味を持ってもらいたいという」
――次の作品で、また違った側面を打ち出して行くと。
GIORGIO「ただ、いろんなことをやろうとは思ってますけど、取り立てて新しいことをやりたいとは思ってないし、とにかく1曲1曲を大事に作って、大事に聴いてもらえるものができたら良いなと思ってます」
――目新しさよりも普遍性を大事にしたいということですか?
GIORGIO「ファッションにはしたくないということですね。僕は普段、海外のメインストリームの音楽ばかり聴いてるんですよ。で、ヒップホップって昔はローファイなサウンドでストイックなものでしたけど、いまはみんなコードで勝負してるし、ド・ポップなんです。そういうサウンドからものすごくインスパイアされる。最先端のことをやりたいわけではないですけど、そういう流行りを入れるのもすごく大切だと思ってます」
――今後の活動プランはもう決まってるんでしょうか。
GIORGIO「シングルを立て続けに出す予定で、その後にアルバムかなと思ってますけど……何をやろうかな（笑）。その時にやりたいことをやります。自分が楽しめないものを作っても伝わらないと思ってますから」
