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インタビュー

ジェシーJから繋がる、2011年式UKポップスの常識・非常識のようなもの――(1)

 

【ブリット・アウォード】 英国レコード産業協会(BPI)の主催する音楽賞で、いわば〈UK版グラミー賞〉のようなもの。77年に創設され、少しずつ形式を変えながらも毎年2月に授賞式が行われています。2008年より新設された〈Critics' Choice〉部門は批評家たちが最有望新人を選出するもので、必然的に受賞者はアルバム・デビュー前の人ばかり。アデル、フローレンス~、エリー・ゴールディングが賞の価値を高め続けています。

 

▼関連盤を紹介。

左から、アデルの2011年作『21』(XL)、フローレンス・アンド・ザ・マシーンの2009年作『Lungs』(Island)、エリー・ゴールディングの2010年作『Lights』(Neon Gold/Polydor)

 

【BBC Sound Of~】 BBCが毎年1月に発表する注目新人リストで、2003年開始のこちらもシーンの注目株を占う物差しとして有効であります。上記の〈Critics' Choice〉と同じく評論家らの投票で決まるのですが、〈Sound Of 2011〉も1位はジェシー! 2位以下はジェイムズ・ブレイク、ヴァクシーンズ、ジェイミー・ウーン……と続きます。なお、アデルもエリーも各年の1位を獲得済みで、業界的には満場一致ってことですね。

 

【ブリット・スクール】 ロンドン南部のクロイドンに位置するパフォーマンス・アートの専門校。古くは故リンデン・デヴィッド・ホールやイモージェン・ヒープ、フロエトリーらが巣立っていますが、その名が大きくクローズアップされたのは、エイミー・ワインハウス+レオナ・ルイス+ケイト・ナッシュ+ケイティ・メルーアという同級生組の飛躍でしょう。その後はアデルを輩出し、それに続くのがジェシーJというわけですね。上記のBPIが運営に参画していることから、〈タレント養成学校と売り出しがセットになっている〉と皮肉を言う人もいそうですが、ファンキー/ガラージを下地に現れたケイティBや一応ダブステップ系と括られるジェイミー・ウーンといった最近の卒業生の活躍の方向性を見る限り、当然ながら成功への道程はさまざま、のようですよ。

 

▼関連盤を紹介。

左から、エイミー・ワインハウスの2007年作『Back To Black』(Island)、レオナ・ルイスの2009年作『Echo』(Syco)、ケイティBの2011年作『On A Mission』(Rinse/Columbia)、ジェイミー・ウーンの2011年作『Mirrorwriting』(Candent Songs/Polydor)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2011年06月01日 18:00

更新: 2011年06月01日 22:17

ソース: bounce 332号 (2011年5月25日発行)

文/出嶌孝次

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