インタビュー

INTERVIEW(4)——曲のキャラクターを際立たせる



曲のキャラクターを際立たせる



佐藤ケンケン

――そして、今回もRebuild版が2曲収録されてますが、まず“トランスオレンジ”は原曲に開放感が加わった印象ですね。

長谷川「シーケンス・パートを加えて、あとはテンポだったりキーだったりを練り直して。『Hide and Seek』のヴァージョンもすごく好きなんですけど、あれはどっちかっていうと衝動一発というか、こういう曲が出来たから、出来たときの感触のまま音源にしちゃおうみたいな感じで。今回はもう少しね、15年経って楽曲そのものを俯瞰して見れるようになったんで、こうしたら曲のキャラクターがもうちょっと際立つかなとか、曲に対してゆとりをもって取り組んだ感じですね」

――では、この曲のキャラクターがどういうふうに見えていて、そのキャラクターをどういうふうに広げようと取り組みました?

長谷川「これはそれこそ、もともと僕のなかではドリーム・ポップみたいなところがあって。そのふわふわした感じを出すために、今回はシーケンスだったり……冷たくない電気的な音を入れられたらいいねーとか、そういうアイデアはありましたね」

――そのイメージをメンバーの皆さんにお伝えして、実現していく?

長谷川「そうですね。ドラムの音色もこだわってみたりとか、そういうことをみんなで考えて。個人的にどう思うかっていうよりは、〈曲にとってはこういうドラムのほうがいいんじゃない?〉とか、音楽的な切り取り方でしたね」

――そして“クローゼットチャイルド”は対極的と言いますか……。

長谷川「これもまあ、もともと曲が持っていた禍々しさを増幅できればいいなと。禍々しくて、不条理な感じというか。それを極端に……ではないかな。もともと、ここくらいまでやってみたかったんだけどね、って形かもしれないです。メンバーの共通認識で、原曲を大きく崩すことなく取り組まなきゃね、っていうのはあったんで、その曲の持ち味を、いまのスキルを使ってどう表現するかっていうところですね」

――新曲と、15年前の楽曲と向き合いながら半年経ちましたが、今後も新作のリリースと次のツアーに向けて進んでいく感じですか?

有村「そうですね。Rebuildも自分たちにとって興味深く録れてるんで、そういう作業もしつつ、Plastic Treeをもっと知ってもらえるような曲を作りつつ」

長谷川「ライヴも、自分たちなりの魅せ方っていうのが確立できたところはあると思うんで、どんな場所でも、どんなシチュエーションであっても、そういうPlastic Treeなりの表現を見せていけたらいいなと思いますね」




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掲載: 2012年06月20日 18:00

更新: 2012年06月20日 18:00