ハンバート ハンバート×COOL WISE MAN『ハンバート・ワイズマン!』
[ interview ]
ハンバート ハンバートとCOOL WISE MAN。優しいアコースティックなサウンドで独特の歌世界を展開する男女デュオと、もう一方はタフでルードなサウンドで日本のスカ・シーンの旗頭的存在の大所帯インスト・バンド。やってる音楽も人数もかけ離れたように感じる2組だが、このたびコラボ・ユニットを結成し、アルバム『ハンバート・ワイズマン!』を完成させた。
きっかけは、昨年の〈下北沢インディーファンクラブ〉での共演から。ジャンルは違えど、ルーツ・ミュージックへの深い愛情と憧憬を映した音楽を、現在のトーキョーから発信しているというスタイルには、共通した姿勢が窺える。
そこで、想像を遥かに超えるほど素晴らしい相性を見せた今回のコラボ作品について、ハンバート ハンバートの佐藤良成(ヴォーカル/ギター)と佐野遊穂(ヴォーカル)、そしてCOOL WISE MANから浜田光風(トランペット)と大和田“BAKU”誠(ギター)に話を訊いた。
お互いにないものを持ってる
ーーCOOL WISE MANの浜田さんと、ハンバート ハンバートの佐藤さんは学年は違うけど、中学〜高校と同じ学校出身なんですよね。
浜田「俺のほうが4つぐらい上だったのかな? だから直接的な接点はなかったんだけど、俺らのミックスをやってくれてる内田(直之)くんがハンバート ハンバートを録ってて、紹介してくれたんだよね。で、CDをもらって聴いたりして、間接的には知ってて。で、蓋を開けてみたらハンバートのマネージャーも同じ学校で俺の後輩だったっていう(笑)」
佐藤「学生時代から知ってたんですけど、直接話したこともなくて。高校の時とか、周りで東京スカンクスのコピーとかやってる奴も多くて……」
浜田「サイコビリーなんかが流行ってる学校だったんだよね」
佐藤「そうすると、浜田くんっていうすごい先輩がいるって知ってたから(浜田はかつて東京スカンクスに在籍していた)。いまとなっては4歳違いって大したことないけど、12、13歳にとっての高校生って、すごく上に感じるし、それにバンドやってるような先輩って怖いイメージがあるじゃないですか」
ーー確かに、その当時の印象が強いと先輩後輩の感覚ってなかなか抜けないですよね。
佐藤「で、COOL WISE MANって人数が多いから。俺ら2人に対して8人ですからね(笑)」
大和田「それにちょっぴり無愛想だしね(笑)」
佐藤「だから最初は緊張しました」
ーー共演するきっかけは、どういうところから?
佐藤「最初、俺が言い出したんですよね。〈下北沢インディーファンクラブ〉に出るのが決まった時に、何かおもしろいことしたいなと思って。他に誰が出るのかと出演アーティストの一覧を見てて……」
佐野「このなかの誰かといっしょにやりたいって?」
佐藤「それぐらいの軽い思いつきでね(笑)。で、知ってる人だったらエノッキーさん(ロッキン・エノッキー/Jackie & The Cedricsなどで活躍する燻し銀ギタリスト)ぐらいかなって思ったけど、せっかくだし、浜田くんしか知らないけどCOOL WISE MANに声掛けたらいっしょにできたりするかなって。それはもう直感で」
浜田「俺も、話もらった時から全然問題なく合うでしょうって思ったよ。ハンバートって(音楽シーンのなかでの)立ち位置もおもしろいし、俺らもスカ界隈のなかでは変なところにいるし。どういう仕上がりになるかは全然わからなかったけど、とにかく楽しみだなっていうのはあった」
大和田「お互いにないものを持ってるから、それが組み合わさったらおもしろいなって思いましたね」