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インタビュー



こういう時こそできる曲



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ーー“おなじ話”以外の楽曲は、今回の作品のために新たにセレクトされた楽曲ということですが、“23時59分”は歌詞からして不思議な世界観ですよね。

佐藤「どうしてもこのアルバムのための新曲を作りたくて。どんな曲がいいかなって考えてたら、俺はやっぱり“Monkey Man”が最高に好きだなーって思って、こういう曲を作ろう!と。ああいうメロディーとかコード進行、あのノリがいいなっていう気持ちで作ったからちょっと似てるんですよ」

佐野「まだ曲の名前とか付いてない時、リハとかで〈じゃあ次、“Monkey Man”みたいな曲〉って呼んでたもんね(笑)」

浜田「共通言語というか、そういうニュアンスで伝わるってところはあるもんね。だから、アレンジに関してはあんまり難しい話はしてなかった。ひとつ意見が出れば、それに対してじゃあこうしようってやりとりが早く進む」

大和田「“23時59分”ってタイトルにまずパンチがあって、歌詞を聴いたらそれもパンチがあって(笑)。とにかくハッピーで、その気分が伝わればいいやって思いながら演奏しましたね」

ーー最後は最後で宇宙人ヴォイスになるし。

佐野「あれはレコーディングの時に歌いながら、こうやって(自分でノドを小刻みにチョップ)。ついにこれを使う時が来ました(笑)」

浜田「こういう全開にハッピーな曲って、COOL WISE MANにもないから、やってても楽しいよね」

佐藤「僕らのバンドにもないから、こういう時こそできる曲だなって」

ーー“二人の記憶”もハンバートの曲ですか?

佐藤「これはハンバートを始めた頃、まだ10代の時に作った曲で。その頃はいまみたいな感じでやってなくて、ホーンもいるバンドだったんですよ。当初の予定は俺が歌って、ホーン隊がいて……要はワイズマンみたいな編成の、キーボード、ドラム、ベース、ギターのリズム隊がいて、女性コーラスがアイ・スリーズみたいに3人いるっていう感じのイメージだったんですよ。でも、結局全然集まらなかったから、一度もその編成にならなかった」

浜田「(爆笑)フル・メンバーにならなかったんだ?」

佐藤「集まらなかったんですよ(笑)。その頃、ジャズとかリズム&ブルースとかスカをよく聴いてたんで、この曲はたぶん、18か19歳の時に“Simmer Down”みたいな曲が作りくて書いたんですよね」

浜田「なるほどね! 確かにちょっとホーンのリフが似てる(笑)」

佐藤「当時はそれぐらいのノリで書いたのに、いま聴いてみるとだいぶテンポが遅いんですよね」

佐野「私がいっしょにやりはじめる頃に、たぶんいちばん最初に聴いた曲だと思う」

佐藤「まだバンド名もない頃だよね」

ーー当時は演奏したことあったんですか?

佐藤「初めの頃はやってましたね。なんせそういうバンド編成用に作った曲で、しかもそのうちに2人になっちゃったりしたからやる機会がなくて」

ーーひと回りして、それも理想に近い形で実現するというのは嬉しいですよね。

佐野「やっと陽の目を見たねえ」

佐藤「今回掘り起こしてみたら、いい曲じゃん!と思って。これをいっしょにできたら幸せだなと。気に入らなくてやらなくなったわけじゃないから。これを本当に形にできたのは嬉しいですね。若い頃に作ったから、歌詞に〈イェーイ〉とか〈ウォウ〉とか出てくるのが、いまはありえない(笑)。それがちょっと恥ずかしいところもあるけど、ここは変えずに」


カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2012年06月20日 18:00

更新: 2012年06月20日 18:00

インタヴュー・文/宮内 健