INTERVIEW(4)――部活みたいになってる
部活みたいになってる
ーーCOOL WISE MANの“狼煙”に、オリジナルの歌詞とヴォーカルを乗せるというヴァージョンにはかなりビックリしました。
佐野「これ、オリジナルと同じキーなんだっけ?」
浜田「オリジナルといっしょ。だから、俺らのやってることはなんら変わらない(笑)。この曲はもともと歌うためのメロディーじゃないから。メロディーというより、リズムですからね」
大和田「しかもワンコードですからね」
浜田「それに歌を乗せるのはおもしろいなって思った。ジャズの人たちもよくそういうのやってるから、そういう解釈なのかなと思った。エラ・フィッツジェラルドが“Work Song”に歌詞を付けるような」
佐野「普通それができるのって、すごい音域を持ってて、〈なんでも歌えます〉っていう人がやるんですけどね(笑)」
浜田「いやいや。でも、これを選んだっていうのがすごいよね」
佐藤「他にいっぱいあるなかでも、これをやってみたいって思ったんですよね」
浜田「ハンバートの“からたちの木”(2005年作『11のみじかい話』収録)っていう曲を連想させるような歌詞だよね。日本特有の、ちょっとおどろおどろしい感じの」
佐藤「もともと音源が、いい意味で音が悪いから。救いのないようなくぐもった音がカッコ良くて」
浜田「オリジナルが入ってる『Salty Dinner』ってアルバムも一発録りだったね」
佐藤「物語性みたいなものが、曲調や音そのものにあったから。あとはタイトルが付いてるか付いてないかっていうのは大きくて」
ーーインストに歌詞を付けるにしても、タイトルがあることで歌詞として選ぶ言葉も変わってくるでしょうね。
大和田「レコーディングが終わってから自分たちのライヴでもこの曲を演奏することがあったけど、インストなのに歌詞が聴こえてきちゃう。気持ちの盛り上がり方がいままでとまた違うね」
ーーこうして、作品を作り上げるまで密に共演してみて、改めてお互いの印象はどうですか?
佐野「最初のライヴは1回しかリハーサルしてないこともあって、一人一人がどういう人かっていうより、全体としてこういう感じってイメージしかなかったけど、いまは一人一人こういう感じってわかるから、かなり部活っぽくなってますね」
佐藤「やっぱりバンドっていうのは本当にいいなって。それは最初のリハーサルの時から思ったんだけど、僕はバンドがやりたくて音楽を始めたようなもんなんで、ずっと憧れはあるんですよね。長くやってるといろんなことがあるんだろうけど、仕事でやってるんじゃない腐れ縁的な感じが大事で。そういうバンドといっしょにコラボレーションできるのがいいなって」
ーー確かに、そこは大事ですよね。
佐藤「それに何がいいって、ワイズマンはみんないい顔なんですよ。薄い顔の人がいない(笑)。いいバンドっていうのは、いい顔のキャラが揃ってるっていうのが大切で」
浜田「最初のリハの時から言ってたもんね。これだけ濃いのが揃ってるのは凄いって。凄すぎて、ちょっと笑っちゃってたもんね(笑)」