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インタビュー

シガー・ロスとヨンシーの歩みをアルバムと共に振り返ろう



SIGUR ROS 『()』 Fat Cat(2002)

『Agaetis Byrjun』(99年)がロング・ヒットを記録するなか登場した3作目。アルバム名も曲名も無題にすることで言葉からの情報を排除し、聴く者を音のみに対峙させようとする姿勢がストイック極まりない。ストリングスやギター・ノイズがせめぎ合うダイナミックな演奏は、『Kveikur』とも通じるか。

 

SIGUR ROS 『Takk...』 EMI/ユニバーサル(2005)

ヘヴィーな質感の『()』から、〈ありがとう〉を意味する表題通りうっすらと明るい光が射し込んできた4作目。シューゲイザー由来の叙情性豊かなサウンドが徐々に躍動し、心を昂ぶらせる。前作で得たダイナミズムはそのままに、歌を中心に置いてキャッチーに仕上げているのも印象的。

 

SIGUR ROS 『Hvarf/Heim』 EMI/ユニバーサル(2007)

未発表曲集と、既発曲のアコースティック・ライヴ音源集を束ねた2枚組。静と動を操って深淵な音を作り上げるというバンドの持ち味が発揮されたDisc-1と、シンプルなアレンジによってメロディーの美しさを際立たせたDisc-2——変則的なアルバムながら聴き応えは十分だ。

 

SIGUR ROS 『Med Sud I Eyrum Vid Spilum Endalaust』 EMI/ユニバーサル(2008)

幻想的な世界から飛び出し、青空の下を素っ裸でダッシュ! アコースティック楽器を駆使したカラフルなサウンドと開放感溢れる歌声が、バンドの転換期を鮮やかに告げる5作目だ。ケン・トーマスの元を離れ、フラッドが共同プロデュース。

 

JONSI BIRGISSON & ALEX SOMERS 『Riceboy Sleeps』 XL(2009)

ヨンシーが、公私に渡るパートナーのアレックスと組んだユニットのファースト・アルバム。アンビエント、ドローン、フィールド・レコーディングした音源も採り入れ、本隊から轟音とヴォーカルを抜いたような耳通りの良いサウンドを展開している。

 

JONSI 『Go』 Parlophone/ユニバーサル(2009)

祝祭感に満ちたビートで幕を開ける初のソロ作。以降もポジティヴでアップリフティングな曲が並び、全面参加した元ムームのサムリ(ドラムス)やニコ・ミューリー(ピアノ)の演奏も軽やか。曲の尺が短いので、本隊の荘厳さを敬遠している人でもこれはイケるはず(しかも全編英詞だし!)。

 

SIGUR ROS 『Valtari』 Parlophone(2012)

活動停止期間を経ての6作目は、過去のセッション音源を練り直した一枚。アンビエント/ミニマル・ミュージック色が濃く、全体的には〈静〉の印象が強い。『Kveikur』での強靭な音は、ここでの反動から生まれたのかも。なお、本作で初のUSチャートTOP10入りを果たすことに。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年07月03日 17:59

更新: 2013年07月03日 17:59

ソース: bounce 356号(2013年6月25日発行)

ディスクガイド/佐藤一道

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