きのこ帝国、空中ループら4組が熱演!　〈タワレコメン vol.3〉をレポート

タワーレコードのオーガナイズによるライヴ・イヴェント〈タワレコメン〉の第3弾が、8月31日に東京・新宿MARZにて開催。ここではその模様をレポートします!

acari

タワーがプッシュする注目の若手アクト4組が集結したこの日の公演。まずは、甘く切ないメロディーと、ソフト・ロックからオルタナティヴ・ロックまでを消化したサウンドで注目を集める3ピース・バンドのacariがステージに上がります。今年6月に発表した最新アルバム『陽がよく当たる』のタイトル曲からスタートし、早くも透明感のある繊細な歌声で会場を包み込みんだ彼らは、挨拶を挟んでタイトなアンサンブルで迫る“マドレーヌ”、美しいコーラスが印象的な“つれてくよ”、切ないメロディーをダンス・ビートに乗せた“さよならフラッシュバック”と立て続けに演奏。MCでは、タワレコタオルを広げながら「これからも5年、10年、20年と末永くよろしくお願いします!」とアピールし、どこまでも伸びる優しい歌声で“花束”“観覧車 ”を歌って、最後まで爽やかな空気を振りまいていました。

荒川ケンタウロス

続いて、5人組バンドの荒川ケンタウロスが、彼らの定番SEであるTRF“BOY MEETS GIRL”に乗って気合いたっぷりに登場。全員が一丸となって“10年20年”“コース”をはちきれんばかりのテンションでプレイします。MCで「〈vol.3〉なのに〈タワレコメン〉3回目の出演です!　ありがとうございます!」と語った彼らは、次にアッパーな新曲“アパート”を披露。自分たちの作品が店頭に並んだときの喜びのエピソードを話した後に、バラード“あすなろ”をしみじみと歌い上げます。最後はシングル曲“天文学的少年”と“ストーリーテラー”を全身全霊で演奏し、心の底から音楽を楽しむ気持ちが伝わってくるようなエネルギッシュなパフォーマンスを存分に見せてくれました。

空中ループ

幻想的なSEから、そのままアンビエント感たっぷりの“16night”に突入したのは、京都発の音響ギター・ポップ・バンド、空中ループ。ファンキーなカッティングとスラップ・ベースに、トリッキーなギターが絡む“Stand Alone”でオーディエンスを惹き付けます。ここで、ヴォーカル&ギターの松井省悟が「初めて作ったCDをタワーが応援してくれて、それがなければバンドを続けていなかったかも」と、タワーへの感謝の気持ちを告白。暖かい拍手に包まれるなか、ほんのりとした浮遊感が漂うスロー・ナンバー“小さな光”、そして“夢の続きを”をじっくり奏でます。ラストはタイトル通り光に溢れるような“光年ループ”を披露し、独特な余韻を残してステージを後にしました。

きのこ帝国

この日のトリを務めたのは、ポスト･ロックやシューゲイザーの要素を採り入れたサウンドと透明感のある歌声で注目を集める4人組バンド、きのこ帝国。まずは1曲目から8分を越えるナンバー“足首”を演奏し、ミニマムな音数と轟音のダイナミクス、そしてヒリヒリとした言葉を放つ中性的なヴォーカルの存在感で会場の空気を一変させます。続けて、ディストーションのウォール・オブ・サウンドのなかでユニゾンの歌メロが際立つ“WHIRLPOOL”、激しいギター・ロック・チューン“国道スロープ”、短いMCを挟んでまたも静寂と爆音を行きかう“退屈しのぎ”と駆け抜けるようにパフォーマンス。本編は、儚くも美しいメロディーを持った“夜が明けたら”で一旦幕を降ろします。熱いアンコールに応えてくれた彼らは、ノイジーかつ不穏な音像のなかから幽玄な歌が立ち上がる新曲“ユーリカ”を披露し、強烈な存在感でイヴェントを締め括ってくれました!

またこの日は、人気イヴェント〈New Action!〉のDJ陣である星原喜一郎と遠藤孝行も参戦。星野源やファウンテインズ・オブ・ウェインなど、洋邦織り混ぜたキャッチーな選曲で会場をロックしてくれました。

★TOWER RECORDS LIVE INFORMATIONはこちらから

〈タワレコメン vol.3〉@ 新宿MARZ 2012.8.31　セットリスト
【acari】
1. 陽がよく当たる
2. マドレーヌ
3. つれてくよ
4. さよならフラッシュバック
5. 花束
6. 観覧車

【荒川ケンタウロス】
1. 10年20年
2. コース
3. アパート
4. あすなろ
5. 天文学的少年
6. ストーリーテラー

【空中ループ】
1. 16night
2. Stand Alone
3. 小さな光
4. 夢の続きを
5. 光年ループ

【きのこ帝国】
1. 足首
2. WHIRLPOOL
3. 国道スロープ
4. 退屈しのぎ
5. 夜が明けたら
アンコール
1. ユーリカ