女流フルート奏者、タティアナ・ルーランドが聴かせるバッハとペンデレツキ
シュトゥットガルト放送交響楽団の首席フルート奏者タティアナ・ルーランドによるバッハとペンデレツキ。バッハの管弦楽組曲で最も有名な第2番は、フルートがソロ楽器のように活躍するフルート協奏曲のような作品。親しみやすいメロディー、フルートが軽やかに動き回り、フルーティストとしての見せ場が満載。タティアナ・ルーランドの明るさと爽やかさが際立った演奏が魅力。そして指揮者には、シュトゥットガルト放送交響楽団の名誉指揮者であるサー・ロジャー・ノリントン。ノリントンらしいテンポ設定とアクセントのメリハリのある音楽が展開されています。
カップリングされているのは、ペンデレツキのフルートと室内管弦楽のための協奏曲。作曲技法を駆使した現代音楽独特の緊張感が漂う作品。この指揮を担当するのは、ミュンヘン室内管弦楽団の音楽監督および首席指揮者を務めるアレクサンダー・リープライヒ。1968年レーゲンスブルク生まれ、アバドとギーレンの薫陶を受け、幅広いジャンルの音楽を数多く手がけてきた柔軟な指揮者。
(キングインターナショナル)
自らオリジナル楽器オーケストラを立ち上げ、パーセル、シュッツ、スカルラッティをレコーディングしてきたにも関わらず、ノリントンが指揮するバッハの録音は不思議なほど少ない。たぶん、ゲルネの伴奏を務めたカンタータ集と、ピアニストのクナウアーの伴奏を務めたクラヴィーア協奏曲くらいのものでしょう。ノリントンのプロフィールを覗いて過去に指揮した演目を眺めると、ヨハネ受難曲やロ短調ミサ曲といった大曲をけっこう振っているのですが(ロ短調の相手はベルリン・フィル!)。今回のCDには、たった1曲とはいうものの、管弦楽組曲第2番が収録されているのが、ノリントン・ファンへの朗報でしょう。
そんな「バッハ敬遠気味」のノリントンに、管組の棒をとらせる気にさせた女流フルーティスト、タティアナ・ルーランドは1976年、ドイツの古都ゲンスブルクの生まれ。10歳からフルートを始め、ミュンヘン音大でパウル・マイゼンに師事しました。1997年には神戸国際フルートコンクールに入賞。ソロ活動を行ないながら現在、シュトゥットガルト放送響の首席フルート奏者の地位にあります。来日してマスタークラスなども開催しているので、日本人のお弟子さんもいらっしゃることでしょう。尺八にまでチャレンジしたことがあるという根っからの笛吹きさんです。
(タワーレコード)
【収録曲目/演奏】
J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV1067
サー・ロジャー・ノリントン(指揮)
シュトゥットガルト放送交響楽団
クリスチャン・シュミット(ハープシコード)
ペンデレツキ:フルートと室内管弦楽のための協奏曲(1992)
アレクサンダー・リープライヒ(指揮)
シュトゥットガルト放送交響楽団
J.S.バッハ:無伴奏フルートのためのソナタ ハ長調 BWV1033
J.S.バッハ:無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調 BWV1013
タティアナ・ルーランド(フルート)
【録音】
カテゴリ : ニューリリース | タグ : SACDハイブリッド(クラシック) 高音質(クラシック)
掲載: 2016年10月04日 16:35