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ケント・ナガノ&エーテボリ響~ムソルグスキー“歌劇《ボリス・ゴドゥノフ》”(2枚組SACDハイブリッド)

ボリス・ゴドゥノフ

ケント・ナガノがBIS初登場!超充実の「ボリス・ゴドゥノフ」原典版!!

ケント・ナガノがBISレーベル初登場です。それもムソルグスキーの歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」というオペラをほとんど出さないBIS異例の演目に二度驚かされます。しかし演奏がBISと縁の深いエーテボリ交響楽団、また名作「ボリス・ゴドゥノフ」も珍しい1869年原典版ということで、このレーベルらしさ満載となっています。

ムソルグスキーは1869年に「ボリス・ゴドゥノフ」を完成させ、帝室マリインスキー劇場委員会に提出するものの、上演を却下されます。その大きな理由は登場人物が男ばかりで、オペラの醍醐味であるヒロインの魅力や男女の悲恋が全くなく、男臭い歴史悲劇なのが受けないと判断されたためとされます。その意見を受け、ムソルグスキーは1871-2年に大改訂を施し、ヒロインの悪女マリーナを登場させ、1時間ほど拡大させました。それが今日知られる版の中心ですが、ムソルグスキーの時代を先んじた天才性と狂気は1869年原典版にこそ最も強く現れています。

これまでCDはゲルギエフとマリインスキー劇場、映像ではヴァイグレとバルセロナ・リセウ大劇場のものがあり、ケント・ナガノも2014年にBelAirレーベルからバイエルン国立歌劇場のDVDをリリースしていました。そこでも当ディスクと同じアレクサンドル・ツィムバリュクがボリスを演じていますが、映像ではスーツとネクタイをキメた現代のサラリーマン風で、民衆が安部首相をはじめとする各国の首脳のポートレートを掲げ抗議するシーンが話題となりました。

今回はその3年後、スウェーデンの団体との演奏ですが、演奏はさらに練れて説得力満点。ムソルグスキーの凄すぎる才能を全開、恋愛エピソードがなくともオペラ・ファンを満足させる魔力に満ちています。
(キングインターナショナル)

【曲目】
ムソルグスキー:歌劇《ボリス・ゴドゥノフ》(1869年原典版)

【演奏】
ボリス・ゴドゥノフ:アレクサンドル・ツィムバリュク(バス)
シュイスキー:マクシム・パステル(テノール)
ピーメン:ミカ・カレス(バス)
グリゴーリー:セルゲイ・スコロホドフ(テノール)
警史:オレグ・ブダラツキー(バス)
農夫ミチューハ:アントン・リュングクヴィスト(バス・バリトン)
シチェルカーロフ:ワシーリー・ラデューク(バリトン)
ワルラーム:アレクセイ・チホミロフ(バス)
ミサイール、聖愚者:ボリス・ステパノフ(テノール)
旅籠の女将:オッカ・フォン・デア・ダメラウ(メゾソプラノ)
乳母:マルガリータ・ネクラソワ(メゾソプラノ)
クセニヤ皇女:ハンナ・フサール(ソプラノ)
フョードル皇子:ヨハンナ・ルドストレム(メゾソプラノ)

ケント・ナガノ(指揮)
エーテボリ交響楽団
エーテボリ歌劇場合唱団
ブルンスブー音楽学校合唱団

【録音】
2017年3月2-11日
エーテボリ・コンサートホール(ライヴ録音メインにセッションを部分編集)

カテゴリ : ニューリリース | タグ : 高音質(クラシック) SACDハイブリッド(クラシック)

掲載: 2019年08月13日 00:00