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ハンス・クナッパーツブッシュ『ワーグナー: 舞台神聖祝典劇「パルジファル」全曲 (1951年録音)』タワレコ限定盤が再プレス!

掲載: 2026年09月10日 00:00

 クナッパーツブッシュ

歴史的再開を告げた1951年バイロイトの《パルジファル》。
バイロイト音楽祭 開催150周年を記念して、伝説の録音を再プレス!

国内盤CD4枚組


戦前のナチス・ドイツとの密接な関係から、戦後は連合国より開催を禁じられていたバイロイト音楽祭。本作は、1951年に果たされた再開第1回における《パルジファル》の記念碑的ライヴ録音です(フルトヴェングラーの「バイロイトの第九」も同年の演奏です)。この貴重な音源を、バイロイト音楽祭 開催150周年を記念して久しぶりに再プレスいたしました。
指揮は、「バイロイトの守護神」の異名をとったハンス・クナッパーツブッシュ。彼が同音楽祭で振った《パルジファル》といえば、1962年のステレオ録音(フィリップス→デッカ)が名盤として誉れ高いですが、下記のインフォメーションにもある通り、この1951年盤は62年盤に比べてトータルの演奏時間が約22分も長くなっています。ゆったりとしたテンポで、スケール雄大に聖杯を巡るドラマを描き上げているのが大きな聴きどころです。また、モノーラル録音でありながら極めて優秀な音質であることも、本録音の価値をいっそう高めています。
タワーレコード企画盤として本作の発売を検討した際、モノーラル録音であることから社内でもリリースすべきか議論となり、音楽評論家の舩木篤也氏に助言を求めました。すると、舩木氏は開口一番「ぜひ出すべきです!」と明言。さらに解説もご担当いただけることになり、私たちは発売を決断しました。本盤の序文解説は、こうした経緯から舩木氏に書き下ろしていただいたものです。
(タワーレコード 商品統括部 板倉重雄)

1951年バイロイトでの伝説的な"パルジファル"が復活!DECCAレーベルでは久々の復刻。

第2次大戦後6年を経てようやく再開されたバイロイト音楽祭での記念碑的なライヴ・レコーディングによる、クナッパーツブッシュの「パルジファル」が復活。1951年のバイロイト音楽祭の開幕を飾ったフルトヴェングラー指揮によるベートーヴェン「第9」(EMIによるライヴ収録)の翌日、7月30日にプレミエを迎えたクナッパーツブッシュ指揮、ヴィーランド・ワーグナー演出による「パルジファル」の新演出上演は8月25日まで6回上演されました。プロデューサーのジョン・カルショウとエンジニアのケネス・ウィルキンソンを中心としたイギリス・デッカ・チームは、このうちの2回の公演(日程は不明)と総練習を収録、そこから最終的なマスターを編集し、翌1952年1月にLP6枚組で発売されたのが、「パルジファル」録音史上初の全曲録音となった当盤です。
題名役のヴィントガッセンを始め、マルタ・メードル(クンドリ)、ジョージ・ロンドン(アンフォルタス)、ルートヴィヒ・ウェーバー(グルネマンツ)、ヘルマン・ウーデ(クリングゾール)など、戦後の「新バイロイト」を担うことになる当時としても最高のキャストが集められています(全6公演はシングル・キャスト)。合唱指揮には、同じくこの年バイロイトで指揮したカラヤンの推薦で、アーヘンからヴィルヘルム・ピッツが招聘され、これもまた戦後のバイロイトの象徴ともなった見事な合唱団を組織することになりました。なお録音には関係ないですが、ヴィーラント・ワーグナー演出による象徴主義的ともいえる舞台は、1966年のヴィーラントの死後も1973年まで20年以上にわたってほぼ毎年上演され、バイロイト音楽祭の名物となりました。
クナッパーツブッシュはこの1951年以降、1953年を除き亡くなる前年の1964年まで毎年バイロイト音楽祭に登場し、戦後のバイロイトの支柱的存在となりました。特に「パルジファル」は、クラウスに譲った1953年、クリュイタンスと分担した1957年を除き、その指揮を一手に引き受けていました。クナッパーツブッシュによるバイロイトでの「パルジファル」は、1962年の上演がフィリップスによってステレオ収録され、歴史的名盤の呼び声が高いですが、当1951年盤は、1962年に比べてトータルで演奏時間が約22分も長く、ゆっくりとしたテンポでスケール雄大に聖杯を巡るドラマを描き上げています。
モノラルながら音質も良好で、バイロイト祝祭劇場の奥行きの深く天井の高いステージの雰囲気を見事に再現しています(たとえば第1幕後半で舞台奥から歌うティトレルや同幕最後のアルト・ソロの空間的距離感を見事に表出しています)。それでいて舞台上の歌手や合唱は明晰に収録され、独特の蓋で覆われたピットの中で演奏するオーケストラとのバランスも絶妙です。従来のオペラ録音の常套だった歌手のバランスを大きくするのではなく、オーケストラの細部の音やヴォリューム感を感じさせるサウンド作りは、後のステレオ時代になってデッカが標榜する「ソニックステージ」の先駆けともいえるでしょう。客席から見える場所にはマイクを仕掛けることが出来なかったため、ウィルキンソンは、オーケストラ・ピットの覆いに隠したマイク、舞台上の声を収録するフットライトに隠したマイクに加えて、客席の天井の高い位置につりさげたマイクを使って演奏を収録し、それらをミックスすることによって素晴らしいバランスのサウンドを作り上げたのです。隣り合った録音室でカラヤン指揮の「マイスタージンガー」などを収録していたEMIのスタッフも、デッカの音質の素晴らしさに驚嘆していたということです。クナッパーツブッシュによるバイロイトでの「パルジファル」は、現在ではほかの年の公演が放送録音からさまざまな形でCD化されていますが、バイエルン放送によるモノラル中継放送をもとにしているため、鮮明度ではこのデッカ盤(および1962年フィリップス盤)とは比較になりません。
日本では、1962年盤が1964年の「レコード・アカデミー賞」の大賞を受賞するなど早くから高く評価されていたのに対し、当1951年盤はなぜかLP時代には国内盤として発売されず、CD時代の1991年12月になってようやく登場しました(ロンドンPOCL-2251~4)。今回の再発売はそれ以来、ほぼ四半世紀ぶりとなります。さらに不思議なことに、1951年盤のCDは、正規音源としては海外では本家のデッカから発売されたことはなく、1992年にワーナーミュージック傘下のテルデック・レーベルのヒストリック・シリーズから発売されたのが唯一です。隣接権が切れて以降は、さまざまなレーベルからCD化されていますが、それだけにかえって、ユニバーサルミュージックが保有するオリジナル・マスターから新たにリマスタリングされる今回のCD化は重要な意味合いを持っているといえるでしょう。
復刻に関してはこれまでのコンセプト通り、オリジナル・マスターからのハイビット・ハイサンプリング(192kHz,24bit)でデジタル化した音源をCDマスターに使用しました。解説書には、新規で舩木篤也氏による序文解説を掲載しました。クナッパーツブッシュの没後50年に相応しい、保存盤です。
(タワーレコード)

【収録曲】
リヒャルト・ワーグナー:舞台神聖祝典劇《パルジファル》全曲
<DISC1-2>
第1幕
<DISC2>
第2幕
<DISC3>
第3幕

【演奏】
アンフォルタス………ジョージ・ロンドン(バリトン)
ティトゥレル………アーノルド・ヴァン・ミル(バス)
グルネマンツ………ルートヴィヒ・ヴェーバー(バス)
パルジファル………ヴォルフガング・ヴィントガッセン(テノール)
クリングゾール………ヘルマン・ウーデ(バス)
クンドリ………マルタ・メードル(メッゾ・ソプラノ)
聖杯守護の第1の騎士………ヴァルター・フリッツ(テノール)
聖杯守護の第2の騎士………ヴェルナー・ファウルハーバー(バリトン)
アルト・ソロ………ルート・ジーヴェルト(アルト)
第1の小姓………ハンナ・ルートヴィヒ(ソプラノ)
第2の小姓………エルフリーデ・ヴィルト(ソプラノ)
第3の小姓………グンター・バルダウフ(テノール)
第4の小姓………ゲルハルト・シュトルツェ(テノール)
バイロイト祝祭劇場管弦楽団・合唱団
ハンス・クナッパーツブッシュ(指揮)

【録音】
1951年7月、8月 バイロイト祝祭大劇場(ライヴ) モノラル録音

【原盤】
Decca

モノラル録音
歌詞対訳無し
オリジナル・ジャケット・デザイン使用
オリジナル・マスターからのハイビット・ハイサンプリング(192kHz、24bit)音源をCDマスターに使用
解説:舩木篤也氏、永竹由幸氏、長谷川勝英氏、解説書合計13ページ