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インタビュー

Buffalo Daughter(3)

I!!

 さあみんな、胸に手を当てて思案してみよう。楽しかったのは、90年代型の、過去の価値観のあり方だったのかしら? それも、東京の……。

「そうでしょうね。90年代が終わったなっていう実感はすごくあるよ。今年になってからある。昨年までもなんとなくそういう気はしてたけど、はっきりとわかんなかった」(シュガー)。

それよりも、大切 なこと……『I』にはこれまで以上に歌詞が多く、生の楽器もたくさん入ってる。

「ストレートな表現は多いかもしれない」(シュガー)。

「作ってる人の顔の見える音楽をやりたいなと思う。音楽を聴いて幸せに感じたりとか、ちょっと泣けるとか……そういう感情を自分の音楽から感じてもらえるのはすごく嬉しい」(大野)。

僕はこのインタヴューでテロについて必ず訊ねようと思っていたのだけれど、時間がなくて断念した。もし訊いていたら、その返答はシュガーのいう〈心境の変化〉がどんなものかを示すものになってたろうと思う。でも、〈Buffaloの引き出しに、ファックっていう言葉はある?〉っていう別の質問(ひどい質問だ!)の返答は、テロについての直接な感想のひとつとしても受けとめられよう。

「ファックとは言わないよ、ぜったいに(笑)」(シュガー)。

でしょ!?

「だからさ、〈I〉っていうのは、その人の、これを聴いた人のことだからさ、たぶん。だから田中っていう人がこのアルバムを買ったら、このCDのタイトルは『田中』(笑)。そういうことだよ」(ムーグ)。

だからさ、僕たちも、〈I〉だ。

宅急便のおじさんにありがとうをいわなくちゃね! つまり、Buffalo Daughterが〈なにかの部品〉っていうのは正確だ。ロックは世界の一部分で、Buffalo Daughterは、世界の部品のひとつ。

ジョン・レノンは生きてる。こないだ、ニール・ヤングが“Imagine”を歌った。

僕たち〈I〉は、世界をかたちづくってる。僕たちが、世界を構成してる。だから僕たち聴き手もロックしなくちゃいけない。僕たちが、ロックにならなくっちゃいけない。

Buffalo Daughterにはロックさせられる。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年05月16日 13:00

更新: 2003年03月06日 20:25

ソース: 『bounce』 227号(2001/11/25)

文/村松 タカヒロ