Buffalo Daughterのメンバーによるアルバム収録曲完全解説!!
Ivory
シュガー(以下、S)「最初からアルバムの1曲目にしようと思って作った曲で、まさに、2001年におけるBuffalo Daughterの心境をそのまま表した曲」。
大野(以下、O)「ストリングスはちょっと不協和音的なものを試してみました。曲は、白っぽいイメージでね、ソフトな……」。
S「でも、真っ白じゃない、アイヴォリー」。
I Know
ムーグ(以下、M)「どんどん、ささくれだった世の中になってきているように思うけど、ちょっとしたことで解決することもある。へんに大ごとに考えることもなくて……たとえば、ぶつかったら〈すいません〉とか、そんな身近なレベルでもね。もっとスムーズに流れるようになる。そんなことに気づいたのがすごく嬉しくて。みんなが小さなことに気づいていくといいなって思った。きっと、〈ポッ・ポッ・ポッ!〉って光りが灯っていって……。そうだね、たぶん、ルールとかモラルとか……みんながそれぞれに〈知ってるよ!〉ってね」。
Earth Punk Rockers
M「野外のトランスとかのパーティーってあるじゃないですか。あれは好きなんですけど、結局は、街に帰ってきたときにどうするかっていうことがすごく大事だと思って。週末のそれと、普段の都会の生活との折り合いの付け方っていうか……。地球のことを考えたりするのは大切ですけど、それをじゃあ、街のなかではどうしていったらいいのかってこと。しかもまた、それをパンクみたいな感じでやったらカッコイイな! みたいなね(笑)」。
28Nuts
S「短い曲だね」。
M「ギターのナットが28ってことだよね」。
Volcanic Girl
S「これはわりと……Buffaloっていままでそういうことを歌ったことはなかったんだけど、ほんと素直に、女性賛歌みたいな感じの曲。〈抜群の美貌で/男子校生の憧れの的/彼女の愛は火山のように激しく/心はマグマのように燃えている……〉」。
Five Minutes
S「たぶんこれがいちばん最後にできた曲。テクノ風? かもしれないね」。
O「5分間の睡眠をとったときの幸福みたいなことを歌ってる。ヴィブラフォンの音をクリックに使って歌ってたら気持ちよくて、催眠術みたいに聴こえてきた」。
Robot Sings(As If He Were Frank Sinatra With A Half-boiled Egg And The Salt Shaker On A Breakfast Table)
S「サブ・タイトルが長いんですよね。これはね、そのころCDってものを聴く気になれなくて、もしCDを出すならもっと機能的な、ファンクショナルなものにしようって言っててね。それで、ゆで卵を作るのにタイマー代わりになる曲を作ろうって、3曲作った。1曲聴いたら半熟、2曲聴いたらちょい熟、3曲で完熟、みたいにして。そのうちの1曲なの。それをしかも、シナトラをきどったロボットのラヴソングにしてみました(笑)」。
I
S「アルバムのタイトル曲ってわけじゃない。でも、光が差し込んでる感じが出てる。詞に〈I〉がいっぱい入ってて……。ボサノヴァ? っていうつもりもないんだけどね」。
Moog Stone
O「鉱物の〈Stone〉のイメージ」。
S「マニー・マークにテープを送って、鍵盤と歌を。これだけ日本語なんだけど、無理矢理マークに歌わせたらおもしろいと思って」。
Mirror Ball
S「夜中の2時、3時のディスコ。ディスコじゃなくてもいいんだけどね……。えっ? 意外?」。
Long,Slow,Distance
S「これはやっぱ……ロングでスロウでディスタンスじゃないですか、人生は! この3年、思うところはありつつも、ロング・スロウ・ディスタンスでいこうよってさ(笑)」。
Discotheque Du Paradis
O「朝方のディスコです(笑)」。
S「アフター・アワーズの(笑)。でも、朝7時のフロアってけっこう、人生に照らし合わせることができるじゃないですか……」。
A Completely Identicial Dream
S「“I”につながる、光が見えてる曲ですね。……はじめアコースティック・ギターと歌だけだったのをジョン・マッケンタイアに送って、マリンバを入れてミックスしてくれって頼んだ。そしたら彼がマリンバだけじゃなくてビートとかも入れてきてくれて」。
Stereotype C
S「これは単純に〈ディスコ!〉って曲を作ろうと思って。チボ・マットとは友達だし、なにかいっしょにやろうってずっと言ってたんだけど機会がなくて……。ちょうど私たちがディスコの曲ばっかり作ってたときに彼女たちが来日したんで、それで実現した」。
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カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2002年05月16日 13:00
更新: 2003年03月06日 20:25
ソース: 『bounce』 227号(2001/11/25)
文/村松 タカヒロ