インタビュー

Raphael Saadiq(3)

前に進み続けるソウル・ミュージック

 さらに注目すべきは、トニーズのティモシー・クリスチャン・ライリーが不仲説を覆すかのように2曲参加していること。ラファエルがトニーズに戻る、なんてことはあり得るのだろうか。
 
「ティモシーはただスタジオに遊びに来てたんだ。最初は、最近連絡してなかったからどうしてるかと思って連絡をしてみたら、いっしょに曲を書いてみたいなって話になってさ。彼がコンガやオルガンを弾いて、僕が歌った。詞を書き留めたのではなくて、マイクに向かって、即興で歌ったんだよ。その夜にまた僕だけスタジオに入って、バックグラウンドだけを録ったんだ。僕たちはいまでもお互いにヴァイブを感じてるよ、本当に。ただ、昔のように戻るには時間がかかるだろうね」。

 彼の頭には前に進むことしかないのが本音のようだ。とはいえ、トニ・トニ・トニ時代から親交を深めてきたDJクイックが今回不参加なのは寂しい。

 今回は時間が合わなかったけど、またやるよ。たとえ今回スケジュールが合ってたとしても、みんなの期待も大きいから前以上のものを作らなきゃいけない。それには時間がなさ過ぎたってのもある」。

 いまの時代、もっとも求められているヒーリング。リラックスするだけがヒーリングじゃない。「魂に効くいい薬」だと彼が言う〈ゴスペルデリック〉でファンキーに踊ってスッキリ、ヒーリングってのもたまにはイイんじゃない?

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掲載: 2002年05月30日 14:00

更新: 2003年03月06日 19:34

ソース: 『bounce』 232号(2002/5/25)

文/Kana Muramatsu