インタビュー

4hero(3)

創造性とソウルのモザイク

 タイトル『Creating Patterns』については、

 「実はずっと悩んでたんだ。なかなか決まらなかったんだけど、最終的にはベンベ・セグエが歌ってい る“Golden Solitude”の一節からとったよ。アルバムの内容が、まるでモザイク みたいに、いろんなスタイルを採り入れているだろ?それを説明するのにもっとも適した言葉だと考えたんだ」。 

 『Creating Patterns』には、いわゆるドラムンベースはない。これを単に ドラムンベースからの離反と片付けるのは簡単なことだが、ドラムンベース 自体が本来備えている柔軟で創造的な音楽性を思えば、それで名声を得た才人 たちが自分の音楽の幅を広げていることはなんら不思議ではない。〈ドラムンベース以降〉に明確になったクラブ・カルチャーでの理想的な フュージョンは、現在あらゆる場所で確認できる。モザイクとは言い得て妙。 とくにディーゴたちの活動は以前から、多角的な音楽性が肝だった。

 「僕らはとても生産性の高いプロデューサーなんだ。常にアイデアが溢 れていて、どこかで吐き出していかなければならない。それが、ほかの プロジェクトにも繋がるわけだ」。

 現在のディーゴにとって、マークとの4ヒーローは、どのような意味を持つ プロジェクトなのか。

 「4ヒーローは僕らがいちばんやりたいこと、つまり〈プロデュースすること〉 のいちばん大事な手段なんだ。考えてみれば、4ヒーローのアルバムはどれも コンピレーションみたいなものだろ? 4ヒーローに特定の声はいないし、複数の 人間が集まって初めて実現可能となるものだ。それを可能とさせてくれるのが4ヒーローなんだよ」。

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掲載: 2002年05月30日 17:00

更新: 2003年03月03日 22:03

ソース: 『bounce』 226号(2001/10/25)

文/栗原 聰