UA
彼女の歌が色褪せることはない。どのような音のアプローチを見せても、それが彼女の歌声に包み込まれたとき、永久不変の輝きをみせるから。3年ぶりとなる新作『泥棒』もまた……至宝の歌たちを封じ込めた宝箱を、さあ開いて!
「分析することはあまり好きじゃない」。
UAは美しく利発で、優れたユーモアのセンスを持った女性である。彼女に1回でも会ったことがある人ならば、そのことに気がつくだろう。少しのあいだ彼女と話してみれば、彼女の魅力が気にかかって胸のどこかで忘れられなくなるだろう。こうした女性は少ない。たいしたものだ。UAの名前はスワヒリ語で、〈花〉と〈殺す〉という意味を持つという。UAという名前自体が、彼女の特質を物語り、彼女は歌を巧みに歌い、彼女は自分で詞を書く。彼女の書く言葉は、感情の深さ、遠くから響く愛の歩み方、生命の存在に対する慈愛が交錯し、抽象と具象を巧みに往き来する。新作のシングル“閃光”とアルバム『泥棒』は、彼女の声のマジック自体である。矛盾も、性も、白黒も、善悪さえもここでは彼女の声に包みこまれている。こんなアーティストは希有なのだ。僕は彼女と同時代に生きることを誇りに思う。彼女の話を訊こう。
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