インタビュー

Craig David

世界的な成功に溺れず、真摯に音楽に向かった成果を『Slicker Than Your Average』に実らせたクレイグ・デヴィッド。〈歌うために生まれてきた〉彼は、いまやタイトルどおりの〈突出した存在〉へと進化を遂げた!!


〈僕がストリート出身じゃないと人は言う/このようなサウンドは一夜にして出来るものじゃないのに〉。
クレイグ・デヴィッドのセカンド・アルバム『Slicker Than Your Average』の冒頭を飾るタイトル・トラックにはこのような生々しい言葉が並べられている。

「その曲は、自分と自分の音楽に対するさまざまなコメントに対する僕個人の意見さ。自分勝手にぶちまけたんじゃないけど、言いたいことは言わせてもらったよ」。

もちろん、誠実なリスナーであれば、クレイグのキャリアの始点が地元サウザンプトンの海賊ラジオにあることは十分に理解している。99年にアートフル・ドジャーの“Re-Rewind(The Crowd Say Bo Selecta)”にフィーチャーされて一気に注目を集め、翌年には全英チャートを制した“Fill Me In”でソロ・デビュー。アルバム『Born To Do It』に至って一躍UKを代表するトップの座へと駆け上がる。2001年には全米進出を果たし、ここでもUKのR&Bアクトとしては異例のブレイクを遂げた。

「音楽が世界共通だということは素晴らしいよ。音楽を作り続けることに対する意欲もさらに高まったね。僕がベッドルームでコツコツ書いたような曲を聴いてくれる人がたくさんいるってわかったんだから」。

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掲載: 2002年12月05日 12:00

更新: 2003年02月13日 12:04

ソース: 『bounce』 238号(2002/11/25)

文/高橋 玲子