インタビュー

〈What's Your Flava?〉──クレイグ・デヴィッドのなかで照射し合う三つのフレイヴァー その2

US R&B/HIP HOP
『Slicker Than Your Average』に唯一参加したUS勢が、USで最初に2ステップの音を採り入れたソウルショック&カーリンだったこともあって直接的なものは少ないが、USのR&B/ヒップホップからの影響はやはりクレイグにとって大きい。その粘着質のフレージングはキース・スウェット丸出し(〈Re-Rewind〉の唱法に顕著)だし、パーカッシヴな譜割りは、アッシャーなどを思わせる(2000年の来日時にはアコースティック・セットで彼の“Nice & Slow”をカヴァー)。そんなクレイグはUSデビューに先駆けてジャズマタズに参加してもいる(それがUS版“Fill Me In”におけるDJプレミアの起用に繋がっていく)。新作でも、粘っこいスロウ“Personal”でアディナ・ハワード“T-Shirt & Panty”の一節を引用し、日本盤のみにボーナス収録の“Four Times A Lady”ではスマート・メロディー流儀の先人であるライオネル・リッチーへの憧憬も露わだ。なお、右のコラムで紹介しているDVDではファロア・モンチ“Simon Says”をカヴァー(もちろんラップ!)してたり……重箱の隅をつついていけばキリがないほど。


ジャズマタズ『Streetsoul』(Virgin)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年12月05日 12:00

更新: 2003年02月13日 12:04

ソース: 『bounce』 238号(2002/11/25)

文/出嶌 孝次