Missy Elliott
どうも、こんばんは、ミッシー・エリオットです~と言わんばかりの気さくなパーティー・ヴァイブを引っ提げ、ミスディミーナーが堂々登場!! 5たび世界は踊る!!
ミッシー側からの要請で、新作『This Is Not A Test!』の取材はミックステープ・アワード期間中のプエルトリコで行われた。インタヴューに先駆けてアルバム収録予定曲を何曲か聴かせてもらうはずだったのが、ホテルの部屋に設置されたスピーカーの調子が悪く、結局聴くことができたのは、先行シングル“Pass That Dutch” を含む3曲のみ。インタヴュー前に新作に関する情報を少しでも欲しかったわれわれは、音が悪い状態でも聴きたかったのだが、完璧主義の彼女はそれを許してくれなかった。取材が行われた9月末の時点で、まだアルバム収録曲の選出も完全に終わっておらず、これからレコーディングする曲もあると前置きをしてから、ミッシーはインタヴューの質問に答えはじめた。
やりたい音が見つかるまで作り続ける
――前作は、オールド・スクールのパーティー・ヴァイブを復活させたアルバムでしたが、新作はどんなものを作ろうと思いましたか?
「パーティー・ヴァイブは変わらないわ。必ずしもオールド・スクールってわけじゃないけど。ミッシー&ティンバランドのパーティー・ヴァイブね。いろんなタイプの曲が入ってるわ。ジェイ・Zと“Wake Up”って曲をやってるんだけど、その曲ではキッズやヒップホップ界に〈銃を持ってなくても、普通の仕事をしててもクールなのよ〉って言ってるの。なぜなら、キッズたちはみんな、ドラッグを売るのはカッコイイと思うようになってきているから。ジェイ・Zはすごく影響力があるから、この曲をやるのにピッタリだと思ったの。ジェイ・Zのメッセージなら、キッズも聴いてくれるでしょ」
――今回のスタジオでの雰囲気はどんな感じでしたか? 前作の制作に取りかかった時は、スタジオでオールド・スクールのレコードをかけて盛り上がったそうで すが。
「今回はティンバランドとヴァイブを感じるのに時間がかかったわ。いままでのなかでいちばん長い時間よ」
――ティンバランドとは、離れている時も電話で定期的に話しているのですか?
「しょっちゅう話してるわよ。基本的にはお互いに同じものが好きなんだけど、それが必ずしも、私がアルバムでやりたいヴァイブじゃないかもしれないじゃない? だから、私たちはいつも自分たちがやりたい方向の音が見つかるまで、次々に曲を作り続けるの。それが今回は長くかかっちゃったのよ。私は他のアーティストの曲をいくつも抱えてたし、彼は彼で自分のアルバムと、ブランディの曲と、ババ・スパークスのアルバムがあったから。だから2人とも精神的に疲れきってて、方向性がなかなか決まらなかったの」
――今回、いちばん最初に出来た曲はどれ?
「“Pass That Dutch”よ」
――では、この曲がアルバムの方向性を決めた感じですか?
「そうね」
▼豪華ゲスト陣の作品(ラッパー編!)。
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カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2004年01月15日 13:00
更新: 2004年01月15日 17:29
ソース: 『bounce』 250号(2003/12/25)
文/松田 敦子