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インタビュー

盟友ティンバランドも新作をリリース!!

 メインストリームのR&B/ヒップホップに嫌悪感を抱いていたり疎かったりする人でさえもティンバランド&ミッシーのサウンドは無視できないようだ。ただ、彼らの生み出す音楽をいつまでも旧来の価値観から見て何がしかのフリーク性をそこに見い出しているような時代では、もはやない。彼らが表舞台に登場してから10年近くの歳月が流れており、その間に彼らがやってきたことは、その当時の価値観による〈ポップ〉に真っ向から挑み、〈ポップ〉そのものの価値観を刷新することだったのだから。ゆえに現在の彼らはもはやオルタナティヴではないのだ。

  そんな印象を改めて強くさせるティンバランド&マグーのニュー・アルバム『Under Construction II』が到着した。ティンバのアルバムも(ソロ、コンビ合わせて)4作目を数えるわけで、ラキムの名ラインを引用した“Cop That Shit”などを聴けば懐古的?とも取れるだろうが、本作に顕著なのは、ミッシーのここ2作同様、自分たちのフォロワー(ネプチューンズからレンキー、パンジャビMCまで多岐に渡る)からのフィードバックだ。特に目立つのはダンスホール・レゲエの影響で、やたらクラップをパチパチしまくる負けず嫌いな逸品“Naughty Eyes”を筆頭に、いまのティンバが何に刺激を受けているか、想像の膨らむ一枚だ。そう考えれば、ババ・スパークスの新作やカイリー・ディーンの“Kiss Me Like That”(上掲シングルのB面曲)などみずから主宰するビート・クラブ音源で頻出するギターを主体にしたカントリー曲引用なども、〈Good To Go〉オケに触発された?なんて邪推も可能だ。

 ただ、それさえも彼には一手段。アリシア・キーズ“Heartburn”では、生音であのビートを再現してその源泉がドス黒いファンクであることを露わにしているし、ブランディのニュー・シングル“Turn It Up”もバキバキの鳴りでフロアをヒットしているはず。何でも食って吐き出すティンバはまだまだド真ん中だ。

▼ティンバランドの過去作を紹介

▼ティンバランドが最近手掛けた作品を一部紹介


カイリー・ディーンのシングル“Who Will I Run To”(Beat Club/Interscope)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年01月15日 13:00

更新: 2004年01月15日 17:29

ソース: 『bounce』 250号(2003/12/25)

文/轟 ひろみ