ポルトガルの伝統音楽、ファド
哀愁を帯びたメランコリックなメロディーと情感たっぷりに歌い上げるヴォーカル……ポルトガルを代表する音楽、ファドの起源は古く、19世紀中頃に港町、リスボンで生まれたといわれている。伴奏に使われるのは、ガット・ギターやコントラバス、そしてなくてはならない楽器が、マンドリンに似た12弦のポルトガル・ギター=ギターラ。これはハワイやインドネシアなどで使われる小型ギターのルーツともいえる弦楽器だ。また、絶対的に女性シンガーが多いことも特徴のひとつである。郷愁や憂いを意味する〈サウダーデ〉感覚を内包するファドは、地中海諸国からアラブ、ブラジル音楽との繋がりも感じられ、港町で生まれ育った文化特有の風通しの良さが魅力となっている。
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カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2004年01月22日 13:00
更新: 2004年01月22日 17:48
ソース: 『bounce』 250号(2003/12/25)
文/佐々木 俊広