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インタビュー

カナディアン・シンガーたちが生み出す音楽のランドスケープ

 これまでさまざまな個性を生みだしてきたカナダの大地。その風土ゆえか、カナディアン・ミュージシャンにはどこかエヴァーグリーンなしなやかさを感じせられるのです。例えばネリー・ファータドの叔母さん的存在といえるジョニ・ミッチェル。不思議と歳を感じさせないその歌声、ムーヴメントとは孤立して常に自分の歌に寄り添うその姿は静かな森のよう。また、その文学的な歌詞で漂白する魂の軌跡を訥々と歌う詩人、レナード・コーエンはミステリアスな洞窟。その洞窟の彼方に広がる悠々たる山脈をザ・バンドとするならば、先住民たちの遺跡が残る切り立った山のひとつがロビー・ロバートソン。その山並みの麓のどこか、人淋しい公園にハラハラと散る落ち葉を見かけたら、それはセンチメンタルを結晶化させるシンガー・ソングライター、ロン・セクススミスが出した手紙かもしれません。そして、その落ち葉を巻き上げて元気よく吹くつむじ風がアヴリル・ラヴィーン、いま世界でいちばん元気な少女なのです。

 とまあ、カナダ=自然というイメージでカナダ発のアーティストをご紹介してみましたが、さてネリー・ファータドを例えるなら? そのヒントと答えはまず彼女の音楽を聴いてから。

▼文中に登場するアーティストのアルバムを紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年01月22日 13:00

更新: 2004年01月22日 17:48

ソース: 『bounce』 250号(2003/12/25)

文/村尾 泰郎

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