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インタビュー

R. Kelly

その男はまたも高みに昇り詰めようとしている。世界を踊らせながら、救いを求めながらも、新しい光と道を拓く。R・ケリーはどこまで高く飛べるのだろう!?


 R・ケリーの取材に長い待ち時間は付きものだ。今回もそれを見越して予備日を設けてはいた。しかし、それでもやはり設定されていた取材日が終わってゆくのをなす術もなく見送るのは辛い。それも、一度は取材の場となるスタジオ〈Chocolate Factory〉に姿を現したというのに。彼は、ぼくら取材陣と挨拶を交わした直後に鳴った携帯の呼び出し音と共に廊下へと消え、それきり姿をくらましてしまったのだった。

 結局、インタビューが実現したのは翌日の昼下がりのこと。何事もなかったかのようにふたたび彼と対面。のっけから名言が飛び出す。

「音楽に関しては自分を〈サイエンティスト〉だと思っている。サイエンティストは物を作り出す。物を発明する。物を発見する。それがオレの音楽の研究室でしていることだ。いつも何か新しく素晴らしい物を作って人々をインスパイアしなければ、オレの後を追いたいと思わせることができない。だからオレは自分を音楽のサイエンティストだと呼びたいんだ。ヒップホップとR&Bのふたつをミックスすることによってまったく新しい音楽を生み出し、〈オレもこんな音楽をやってみたい!〉とみんなに思わせたいんだ。それがサイエンティストたるゆえんだよ」。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年09月16日 13:00

更新: 2004年09月30日 18:32

ソース: 『bounce』 257号(2004/8/25)

文/荘 治虫