インタビュー

すべて聴き逃し厳禁!! R・ケリーを知るための8タイトル

R.KELLY & THE PUBLIC ANNOUNC-EMENT 『Born Into The 90's』 Jive(1992)

  ジョデシらグループ人気に便乗して、あえてグループで挑んだデビュー作。活きのいいニュー・ジャック・スウィングから悶絶スロウまで全曲のサウンドを自作する器用さも序章でしかなかった。スティーヴィー・ワンダーのカヴァーも収録。(出嶌)

『12 Play』 Jive(1993)

  ソロ名義でのデビュー作。全米No.1となった“Bump N' Grind”や青臭く泣き叫ぶ“Sex Me”など性愛路線のメロウなR・ケリーの作風を決定づけた傑作曲が並ぶ。数曲でティミー・アレンが関与し、アーリー90'sな薫りも漂う。スピナーズ“Sadie”のカヴァーはゴスペル的な厳かさだ。(林)

『R. Kelly』 Jive(1995)

  冒頭のゴスペルから、大ヒットした秘めやかなスロウ“You Remind Me Of Something”、アイズレー兄弟をフィーチャーした悲愴な“Down Low”、マーヴィン・ゲイ調で迫るスムースなアップ“Thank God It's Friday”、ビギーとのしなやかな絡み……と、引き出しの多さで前作を凌いだ傑作。(出嶌)

『R.』 Jive(1998)

  初の2枚組。バッド・ボーイ勢やトラック・マスターズらを制作陣に迎え、ジェイ・Z、ナズ、フォクシー・ブラウンら当代の人気ラッパーも招いて、賑やかに仕上げたゴージャスな大作だ。セリーヌ・ディオンとデュエットした超王道バラード“I'm Your Angel”も含め、Rの多芸多才ぶりに感心しまくる一枚。(林)

『TP-2.com』 Jive(2000)

  賑やかな前作から一転、生っぽい音の質感を前面に出したムーディーなスロウ~ミディアムを切なげに歌う様が印象的なソロ第4弾。初期のRに通じる味わいもあるが、シングル曲で話題を呼んだのはトラック・マスターズ制作によるラテン調の“Fiesta”。これがシーンの流れを変えた。(林)

JAY-Z & R. KELLY 『The Best Of Both Worlds』 Jive/Roc-A-Fella/Def Jam(2002)

  たびたび組んできた両者による王者共演作。ほぼ全曲にトラック・マスターズが関与していることもあって安定感が先行する作りながら、それすらこの合体の刺激を削ぐものではない。歌とラップの狭間で掛け合う表題曲が最高。(出嶌)

『Chocolate Factory』 Jive(2003)

  チョコレートのように甘くビターなラヴソングが集結。ヒットした“Ignition(Remix)”を含み、ダンスホール・レゲエに色目を使いながら、“Step In The Name Of Love”のようなステッパーズにも挑戦して新境地を開拓した、創造意欲溢れる作品だ。ロナルド・アイズレーともふたたび共演。(林)

『The R In R&B Greatest Hits Collection Volume 1』 Jive(2003)

  新曲を含む初のベスト盤だが、“The World's Greatest”などオリジナル・アルバム未収曲も多いので入手すべき。新曲からはオリエンタル・ダンスホールな“Thoia Thoing”が大ヒットを記録、ボブ・マーリー節全開でワイクリフと絡む“Ghetto Religion”も良い。(出嶌)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年09月16日 13:00

更新: 2004年09月30日 18:32

ソース: 『bounce』 257号(2004/8/25)

文/出嶌 孝次、林 剛