インタビュー

サンボマスター

ファースト・アルバム『新しき日本語ロックの道と光』から約1年。その〈道〉と〈光〉の中を猛進する彼らが、目一杯のソウルを込めた新作で〈キミ〉に語りかける!! 


 人の心を抉る新しく誠実な表現を生み出す連中が、いつの時代にもいる。その連続で、ロック・ミュージックは、目に見え音に聴こえる部分以外でも、進化を重ねてきた。そういう、ロックを刷新してきた者の多くは前の時代、風潮に馴染めなかったり、なかなか認めてもらえなかったりで、悶々と心に想いを積もらせながら過ごし、その想いが臨界点に達したとき、新しい時代の幕が開かれてきたのだ。次々と。

「とにかく、ウソ臭いロックに飽き飽きしてたんですよ。ちょっと待て!と。オシャレな服着てヘンテコリンな帽子かぶって古着とかに詳しいヤツがやるのが偉いって、ぜってーおかしいんじゃないか!?と。〈君の妹がローリング・ストーンズとデートするのを許せるのか!!〉って言って“(I Can't Get No)Satisfaction”を演ったローリング・ストーンズとか、〈友よ~♪〉って政党にも歌われるようになって〈あいつはダメだ〉って言われながらも“それで自由になったのかい”を歌った岡林信康とか……そういうのがロックなわけで。90年代の僕は発狂寸前で、アフロのカツラ被ってソウル演んのがなんでオシャレなんだよ!? ひとつも偉くないよ!ってスゲェ怒ってましたね。〈どす黒い僕と、打算的な君が、こうやって混じりっけなしに、ギリギリのところで分かち合うことこそ、本当のロックなんだよ!!〉みたいなこと言っても、なんにも始まらなかったですからね……」(山口 隆、ヴォーカル/ギター)。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年01月20日 13:00

更新: 2005年02月10日 18:47

ソース: 『bounce』 261号(2004/12/25)

文/山内 史