インタビュー

cro-magnon(2)

俺らなりの東京の音楽

 「もともとメンバーそれぞれが幅広く音楽を聴いていたから。あの5人でやるとLoop Junktionで、この3人だとcro-magnonになるっていう感じで、芯の部分は変わってないんですよね、ソウルというかブラック・ミュージックが中心にあるっていう。(コスガ)ツヨシもダンス・クラシックスみたいなレコードはずっと買ってたし。この3人だとおもしろいレコードをツヨシが持ってきて、〈おもしろいじゃん〉っていう話になって、刺激を受けては〈やるべやるべ〉って。Loop Junktionは(3人がボストンで出会って)アメリカから帰ってきたそのままのマインドでやってて、cro-magnonは日本に5年くらい住んだ俺らなりの〈東京の音楽〉をやってるという感じですね」(大竹重寿、ドラムス/パーカッション)。

 cro-magnonはヒップホップ・バンドのLoop Junktionが2004年5月に活動停止した直後、メンバーの大竹重寿、コスガツヨシ(ギター/ベース/サンプラー)、金子巧(キーボード)の3人によって結成された。Loop Junktionはジャズ、ファンクからヒップホップまでに筋を通した演奏とMCの山仁による生々しいストーリーテリングが印象的だったが、インストゥルメンタルがメインとなるcro-magnonではその音楽性を拡張して、より直接的にダンスフロアを刺激する。グループの〈掘り番長〉ことコスガにcro-magnon始動時の音楽的な興味を尋ねてみよう。

「Loop Junktionが解散した後、3人で好きなことしようぜ、って話してた時期にちょうどセオ・パリッシュがアルバムを出して。それが、やたら生で、やたらヒップホップっぽくって。で、それと同じぐらいの時期にホテル・クラスカでやった〈Life Force〉に出演したんですよ。DJがフーリッシュ・フェリックスで、ズブズブのディスコにヤラレまくって。〈これは格好いい!〉って思って」(コスガ)。

▼cro-magnonの楽曲を収録したコンピ

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年06月01日 22:00

ソース: 『bounce』 276号(2006/5/25)

文/リョウ 原田