フルカワミキが敬愛して止まないアーティストたちを教えてもらいました!!
BLONDE REDHEAD:
日本人女性とイタリア人の双子によってアメリカで結成された、という出自もユニークなバンド。ソニック・ユースのドラマー、スティーヴ・シェリーのレーベルからリリースされたファースト・アルバム『Blonde Redhead』は、まさにソニックス直系の硬質なギター・ノイズと、ちょっと舌足らずでハイ・トーンなヴォーカルとのコントラストが耳に残る一枚。「好きなモノといっても、メジャーとかインディーとか、年代もバラバラで聴いていて……。そうして出会ったブロンド・レッドヘッドの、あの独特の感覚にはすごい心を持っていかれた。好きなのはやっぱりファースト・アルバムかな。昔からずっと聴いてて、いまでもよく聴きます」。
DAVID BOWIE:
60年代から、ロック~ソウル~ファンク、そして電子音楽まで、各時代を象徴するシーンと巧みにリンクしつつ、唯一無二の音楽美学を提示し続けるボウイ。フルカワミキのお気に入りはグラム・ロック期の名盤として名高い〈ジギー・スターダスト〉とのこと。みずからが扮した架空のロック・スター=ジギーによる、マスカラにジャンプスーツといったエキセントリックなファッションも話題を呼びました。「彼は男としても好き(笑)。私にとっては王子……ヨメになりたい(笑)。表現者としてのセクシーさがたまらない! 50歳を過ぎても若者の音楽にちゃんとアンテナを張って聴いてるから……。あの感覚はすごく尊敬してます。声が通るっていうか、独特で、何を歌っても曲が締まる声っていうか、そういうところも好き。いやぁ~、いいです。いまも輝いてるなぁって思う。ちなみに(2004年の)武道館ライヴは2日間とも行きました(笑)」。
PUBLIC IMAGE LTD.:
セックス・ピストルズでの活動を終えたジョン・ライドンが結成し、キース・レヴィンやジャー・ウォブルも在籍したP.I.L.。彼らの3作目『Flowers Of Romance』は、ベースレスでシンセとドラムが乱れ飛ぶ特異なスタイルが印象的。ディスコ・ダブ的と言っても過言ではないタイトなドラムに絡む、煙のように揺らめくギター・ノイズも鳥肌もの。「スタイルとしてもすごくイイし、意志も感じる。ジョン・ライドンの姿勢もあのバンドをやることですごくよくわかったし……。彼はすごくクレヴァーな人で、その確信犯的なところがすごい!」。
EURHYTHMICS:
“There Must Be An Angel”があまりにも有名なUKの〈史上最大のデュオ〉。セカンド・アルバム『Sweet Dreams(Are Made Of This)』の表題曲は全米1位も獲得した大ヒット曲です。ナズも96年作『It Was Written』収録の“Street Dreams”でそのサビを引用したりと、幅広いシーンに影響を及ぼしました。「ハンサムだし、あの出で立ちが独特で、それが音楽にも結びついてるような感じ……。〈Sweet Dreams〉はすごくパワフルでソウルフルで……私もおばちゃんになったら、ああいうふうに歌っていたいなって(笑)」。
THE SLITS:
今年に入って再結成! ロックやパンクを基調としつつ、サウンドにダブ処理を施すなど個性的なアプローチが特徴の女子3人組です。デニス・ボーヴェルがプロデュースした『The Return Of The Giant Slits』は、〈隙間の美学〉ともいえる広がりのあるサウンドに痺れます。「やっぱりあの絵のジャケットかな? スリッツのどんな音楽も取り入れちゃう姿勢とか、ステージ上のパフォーマンスの、自由でハチャメチャな感じとかがすごく好き」。