インタビュー

Beyonce(3)

結婚? いつかはね

 ここまでヒップホップ色が強いと、やはり彼氏であるジェイ・Zの影響?と勘繰りたくなるもの。本編でのゲスト参加は彼のみ、音楽性やプロデューサー選びにもかなり関与しているのでは?

「特にそういうことはなかったわ。プロデューサーはいつも自分で選んでいるし。彼のことはアーティストとして尊敬してる。〈この曲どう思う?〉くらいは訊くわよ。彼は偉大なラッパーであり、偉大なソングライターでもあるし、素晴らしい耳を持っているけれど、このアルバムではソングライターとしてクレジットされているくらい。私は自分の周りにいるすべての人たちから影響を受けているの。だからスマートな人たちといっしょにいるようにはしているわね。自分を向上させたい、と思わせてくれるような人たちと」。

 最近ではすっかりビジネスマンとしてのイメージも定着した彼に負けず劣らず、歌手、女優、ソングライター、さらには母親と立ち上げたファッション・ブランド〈ハウス・オブ・デレオン〉の経営者としても活躍中のビヨンセ。華々しい成功の秘訣を教えて!

「自分が心底好きと思えることをやって、いつも自分にチャレンジしていくこと。いつだって成長の余地はあるし、自分にインスピレーションを与えてくれるものだけを選び取ることが大事だと思う。やりたくないことには手を出さないようにしてるの」。

 そんな彼女にもまだ手にしていない女の肩書き、それは〈妻〉、そして〈母〉。ジェイ・Zとの婚約の噂も絶えないなか、そこのところズバリどうなんでしょう?

「フフフ……いつかはね。その時が来れば。私の両親は結婚して27年になるし、妹(ソランジュ)にも息子が産まれたし、彼らを見ていると何て素敵なんだろうと思うわ。でも私にはまだまだ時間があるから……」。

 25歳を目前に控え、さらなる活躍が期待される将来の展望について訊いてみた。

「20年経っても皆にリスペクトされるようなアーティストでいたい。アレサ・フランクリン、マーヴィン・ゲイ、ダニー・ハサウェイみたいな、私にインスピレーションを与えてくれた人たちのようになりたいのよ。もっと映画もやっていきたいと思うし、演技についてもできるだけのことを学びたい。いつかは家庭を持ちたいとも思う。プライオリティーが変わる時も来ると思うけどね。それから、きっと自分の知名度を使って、音楽やエンターテイメントよりももっと大きなことに挑戦してみたいと思うようになると思うわ。そこに行き着くまで、まだまだ時間はあるけれど」。
▼『B'Day』に参加したアーティストの作品。

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掲載: 2006年09月07日 23:00

ソース: 『bounce』 279号(2006/8/25)

文/渡辺 深雪