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インタビュー

Frankie J(3)

ラティーノに扉を開きたい

 「でも、やっぱりまだ固定観念に囚われている人が多いから、理解してもらうのには苦労したよ。ラティーノぽいイメージを強調しようとされたりね。でも、そういう状況も少しずつだけどオープンになりつつあるよ。オレもそういう意味で次の人たちが入りやすいように扉を開いてあげる手助けになればと思ってるしね。オレはR&Bが大好きだし、夢を叶えようとがんばればできるんだよ」。

 そう言いつつも、毎回きっちりスパニッシュ・アルバムを作ってラティーノとしてのアイデンティティーを維持しているところには、自身のルーツに対する忠誠心や心意気を感じさせる。最近だとクライヴ・デイヴィスのお墨付きでデビューしたポーラ・ディアンダや、ラティウムの後輩にあたるナタリーといったラティーノ勢の作品にも参加しているが、彼女たちがR&Bシーンで羽ばたいていける状況にも、彼の成功は少なからず貢献しているはずだ。そんな同胞たちの活躍について、彼はこう語る。

「凄くいい傾向だと思う。彼女らの活躍によってさらに後の世代にも門戸が開かれるしね。才能のあるアーティストはたくさんいるわけだから、そういういいお手本があれば入口もどんどん拡大していくと思うんだ。まあ、別にラティーノじゃなくても音楽的に才能のある人たちがどんどん出てくるというのは凄くいいことだよね」。

 その〈いいお手本〉とはまさにフランキー自身のことではないか。新たな機軸と変わらぬ魅力を詰め込んだ『Priceless』が、またも多方面に大きな影響を与えることは間違いないだろう。
▼『Priceless』に参加したアーティストの作品を一部紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年12月07日 20:00

更新: 2006年12月07日 21:29

ソース: 『bounce』 282号(2006/11/25)

文/佐藤 ともえ