『Shock Value』から窺える、ティンバ本来のロック趣味!?
「俺がいちばん好きなプロデューサーはトレント・レズナーだ。ナイン・インチ・ネイルズの大ファンなんだよ。ディスターブドも出てきた時は好きだったな。クラッシュ・テスト・ダミーズの曲はフックもないのにチャート1位になるなんて凄いと思ったし……本当はコールドプレイとエヴァネッセンスも好きだった。ロックは相当聴いてるんだ」――インタヴューでもメタリカの名を挙げているとはいえ、この言葉がティンバランドのものと知ったら流石に驚く人が多いだろう。
が、なかでもトレント・レズナーの神経質でシャープな音像はティンバ・ビートのダーク・モード時に通じるものがあったりするし、ネリー・ファータドとクリス・マーティンの共演曲もティンバは手掛けたことがある(お蔵入り)。これまでにベック“Diamond Dogs”(そう言われればNIN風?)のプロデュースや、レニー・クラヴィッツ、リンプ・ビズキットのリミックス仕事も経験してきたティンバにしてみれば、『Shock Value』においても〈異種交配〉という意識は薄かったのかもしれない。
ちなみにティンバは「いちばん仕事してみたいのがプリンスとローリング・ストーンズ」と語っているが、その両者と(リミックスで)絡んでいるのがヴァージニアの同郷連中であるネプチューンズだ。常々ネプチューンズとの競争意識を露わにしているティンバだけに、案外N.E.R.D.への対抗心が『Shock Value』をロックな内容に仕立てさせたんだったりして。
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