安室奈美恵(3)
すごく自分を主張してる
――ところで、衣装にもリンクするんですけど、今回って歌詞のS度が高いなと思ったんです。“Hide & Seek”“Hello”“Top Secret”“Violet Sauce”あたりはかなり女性上位目線だし。
「きっとmichicoさんのなかでの私のイメージがそうなんでしょうね。この子はSではないか?みたいな(笑)」
――でも、“It's all about you”の主人公はMなのかな?と思ってみたり。これ、「だめんず・うぉーかー」的な曲だなぁと思いましたから(笑)。
「(笑)でも、これも〈アンタ、こうじゃん?〉みたいに言ってますからね。何にしても今回はすごい自分を主張してるんですよ。言われっぱなしでもやられっぱなしでもないよ、みたいな。言いたいことはちゃんと言いますっていう」
――そもそも安室さんってどっちのタイプなんですか?
「自分的にはMかもしれないですね。(身体が)キツくても(それをやって)かっこいいからがんばる、みたいな(苦笑)。コンサートもそうだし」
――そういう強めな女性像とか逞しい女性像は、いまの安室奈美恵の世界観として打ち出したかったものなんですか?
「女性ってみんな弱いと思うし、でも、そのなかで強くいたいっていう憧れってどっかにあると思うんですよね。それを歌を歌ってる安室奈美恵で表現できればいいなっていう。だから、〈みんな、そういうことを言いたいよね?〉みたいな。恥ずかしくてできないとか、恥ずかしくて言えないとか、そこまでやる勇気が出ないっていう、そういうのを歌にして、みんなのそういう思いを発散できればいいなって思ってるんです」
――最後にアルバム・タイトルの由来を。
「今回は楽曲の集め方だったり、こういうちょっとフザけたジャケットにしてるんで(笑)遊んでる感があるから、『PLAY』がいいんじゃないかって。あと、年齢的にも今年で30で。こういう30代もあっていいんじゃない?っていうところでアルバム全体がちょっと大人っぽくなっていたりするんですけど。でも、大人の遊び方だったり、30代のキラキラ感だったり、30代ってこんなこともできるんだ、みたいな。そういう遊び方、PLAY感が出せたらいいなって」
――その、年齢からくる意識の変化って、けっこう大きいんですか?
「おっきいですよね、30って。トシはあんまり言いたくないけど(苦笑)。でも、そこに関しても平気で〈もう30だよ〉って言える余裕感は自分に欲しいなって思ってるんです。30代でもキラキラ輝いていたいし、別に遊んでるばっかりじゃないよって思うところもあるし。今回のアルバムもやっと自分のやりたいことが形にできたかなっていう気はしてるんですよ。今回は、きちんと胸張って、全曲自分で選びましたって言えますからね」
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