インタビュー

10年以上の〈FOREPLAY〉 その2

安室奈美恵 『STYLE』 avex trax(2003)
ダラス製のアップ“Put 'Em Up”やフル・フォース作の“SO CRAZY”などを中心に、新たにテディ・ライリーらを制作陣に迎えた意欲的なR&B作。ダイアン・ウォーレンの歌い上げバラード“Wishing On The Same Star”などに従来色も残しつつ、文字どおり自身のスタイルを確立せんとした過渡期の一枚だ。

安室奈美恵 『Queen of Hip-Pop』 avex trax(2005)
バングラ~ダンスホール・レゲエのテイストを大胆に導入した“WANT ME, WANT ME”をはじめ、歌い飛ばしたり囁いたり多様に成長したヴォーカル・フロウが先鋭的なビートと絶好のタイミングで結び付いた痛快な大傑作。Nao'ymtやT. Kura &michicoのほか、トリッキー・ステュワートも制作に参加。

ZEEBRA 『TOKYO'S FINEST』 FUTURE SHOCK/ポニーキャニオン(2003)
SUITE CHICの縁から“AFTER PARTY”に客演。全編がキャッチーなアルバム本編を締め括るメロウな逸曲で、スムースな主役のマイク捌きに対し、囁くようなラップ・シンギングでウェットに感応する様子がよろしい。

Heartsdales 『Sugar Shine』 espionage/cutting edge(2003)
惜しまれつつ解散した姉妹ラップ・ユニットの豪勢なコラボ大盛り作。DOUBLEやAI、風林火山に中西圭三までもが詰めかけるお祭りムードのなか、“Wet'N Wild”に登場するSUITE CHICは流石のスムースな振る舞いをアピール。

JHETT 『JHETT』 cutting edge(2005)
SUITE CHICで絡んだYAKKOの歌ものプロジェクトに登場。その“Do or Die”ではゴリゴリ押してくる重たいヒプノティック・ビートにややパワフルな歌いっぷりで対抗。さらにSUITE CHIC“Uh...Uh...”のダーク&バウンシーなリミックスもボーナス収録!

ZEEBRA 『The New Beginning』 UBG/ポニーキャニオン(2006)
ストリクトリーな楽曲を満載したシリアスなアルバムをパーティー気分で締め括る、マイアミ・ベース歌謡の“Do What U Gotta Do”に、MUMMY-D+AIと共に登場。脳天気なノリに乗って力の抜けた歌を聴かせる様子が良い!

m-flo 『COSMICOLOR』 rhythm zone(2007)
言うまでもなくVERBALとはSUITE CHIC名義も含めて何度も共演しているが、m-flo本隊とはここに収録の“Luvotomy”が初コラボ。ブニョブニョ蠢く極太ベースをあしらった彼ららしいフリーキーな展開に感応する歌がユニークな仕上がりだ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年07月05日 17:00

更新: 2007年07月26日 17:50

ソース: 『bounce』 288号(2007/6/25)

文/出嶌 孝次