インタビュー

服用前にお読みください……capsuleがばらまいてきたポップなカプセルの成分分析

『ハイカラ ガール』 YAMAHA(2001)
結成から約4年を経て登場した初のアルバム。ボサノヴァからハッピー・チャーム系までを行き交うアレンジの幅はすでに広いが、作りはあくまでもスケール感のある歌と和風のメロディーを中心に据えたものだ。男女ユニットの典型においての、高品質なポップス。

『CUTIE CINEMA REPLAY』 contemode/YAMAHA(2003)
和風の翳りが後退し、チープな電子音とキュートな歌声がカラフルなアレンジで大暴れするオシャレ盤。〈ネオ渋谷系〉と呼ばれた界隈にも通じるという点で、(二重の意味での)レトロ・フューチャー志向が全開で楽しい! EeLなどゲストも多数。

『phony phonic』 contemode/YAMAHA(2003)
COPTER4016882やHazel Nuts Chocolateのゲスト参加もあって、前作の延長線上にあるファンシーでグルーヴィーな味わいながら、レトロな楽器の響きを活かしたスウィングやボサノヴァ寄りの曲が中心。しかし、メチャメチャ完成度が高いね~。

『S.F. sound furniture』 contemode/YAMAHA(2004)
〈音の家具〉をテーマに、20世紀から見た未来のような仮想世界を背景に設定したコンセプチュアルな野心作。ボッサ・ブレイクスやポータブル・ロック、フレンチ・ポップ調など、サウンドもここまでの集大成のような印象だ。装丁も贅沢に!

『NEXUS-2060』 contemode/YAMAHA(2005)
世界初のリゾート用宇宙ステーションが完成した2060年……と、前作の世界観を発展させたようなコンセプトを敷きつつ、半数近くの曲がラウンジやハウスなどのインストとなり、ヴォーカルの加工も際立ちはじめた。次作での飛躍を予感させた一枚。

『L.D.K. Lounge Designers Killer』 contemode/YAMAHA(2005)
モロにアンダーワールドな表題曲をはじめ、ロッキン・エレクトロやハウスなどクラブ仕様のスタイリッシュなアレンジが格好良い一枚。泣ける“グライダー”など、Perfumeの素地を思わせるアイデアも楽しいので万人にオススメ!

『FRUITS CLIPPER』 contemode/YAMAHA(2006)
前作を踏み台に、エレクトロ・ディスコ~プログレ・ハウス方面へと一気に振り切れた大いなる転換点で、ハウス路線を決定付けた名曲“jelly”はここに収録。世のオッサンの90年代回顧が始まった時期に、中田が真逆にハンドルを切ったのも興味深い。

『Sugarless GIRL』 contemode/YAMAHA(2007)
キツネなど同時代の海外勢にリアルタイムで呼応し、ジャスティスを思わせるエッジーなロッキン・ハウス“Starry Sky”などアッパーな攻めのビートがひしめき合った大傑作。こしじまの歌声が妖艶に歪みまくるヴォーカル・トラックも副作用強め!

『capsule rmx』 contemode/YAMAHA(2007)
古くは4作目収録の“ポータブル空港”から、“Lounge Designers Killer”“jelly”、前作の表題曲まで、各時代のダンス・トラックを容赦なくアップデートしたセルフ・リミックス・アルバム。新作『FLASH BACK』へと至るアイデアも随所に聴ける興奮作だ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年12月27日 18:00

更新: 2008年01月18日 17:26

ソース: 『bounce』 294号(2007/12/25)

文/出嶌 孝次

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