インタビュー

近年急増しているShing02のコラボを一気におさらいしよう

CANDLE 『街角ジゴロ』 MARY JOY(2007)
同じレーベルから登場したMCのファースト・フル・アルバムにて、Shing02はVECTOR OMEGA名義でトラックを2つ提供。とりわけドラムやコンガにアコギをあしらった軽やかな作りの“唇カタパルト”は作中の風通しを良くするものだ。
(一ノ木)

KK 『Light in a Fog』 MARY JOY(2007)
こちらもMARY JOYのレーベルメイトにあたるKKが多くのMCを従えて放った力作。90年代末のアングラ界隈に顕著だったアブストラクト性を良い意味で残すトラックメイカーだけに、Shing02との“Lift the Fog Up”も息の合った仕上がりだ。
(狛犬)

REBEL FAMILIA 『GUNS OF RIDDIM』 POSITIVE(2007)
マックス・ロメオにSTRUGGLE FOR PRIDEの今里、アリ・アップといった広い意味でのメッセンジャーたちが居並ぶ大作で、Shing02は“Ghost Town”に登場。キレの良い口調で〈歌舞伎町の某クラブ〉をサイバー寓話化する。
(狛犬)

『2nd Collection』 HYDEOUT(2007)
2001年に名曲“Luv(sic.)”の12インチをHYDEOUTから放って以来、アニメ「サムライチャンプルー」のサントラなど諸作を通じてShing02とNujabesの縁は深い。このコンピでは“Luv(sic.)”の温かみに満ちたリミックスが聴ける。
(狛犬)

DJ NOZAWA 『Memory Of The Future』 MORI(2007)
『緑黄色人種』に参加していたNOZAWAの初ソロ作。「となりのトトロ」挿入曲をループした表題曲でShing02の朗読が聴ける。〈ジブリ〉ネタの流行に先鞭を付けた幻想的な逸曲だが、実際は97年制作だったりするから凄い。
(狛犬)

Hisomi-TNP 『シュルデイズ』 Libyus(2007)
別掲のCANDLEに続いて、VECTOR OMEGAのトラックメイカー仕事を収録。シンプルな作りに瞬間の太筆書き的なギター使いが耳に残る“Paradigm Shift”、音の抜き差しがラップに絶妙な間を提供する“マホロバ”の2曲を手掛けている。
(一ノ木)

グディングス・リナ 『大都市を電車はゆく』 ビクター(2007)
アルバム・タイトル曲にラップで参加。曲をテーマへと導くリナに続き、電車に乗り込んでヘッドフォンから流れる曲に見えるイマジネーションから風景を交錯させていく彼のヴァースは、客演を超えた曲の主役。
(一ノ木)

Eccy 『Floating Like Incense』 SLYE(2007)
昨年いきなり現れた(ように思えた)新進トラックメイカーが早々とリリースした初のアルバム。Nujabesの〈次〉とも目される存在だが、Shing02が英詞でラップした先行シングル“Ultimate High”は触れ込み以上にストイックな出来だ。
(狛犬)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年07月10日 19:00

ソース: 『bounce』 300号(2008/6/25)

文/一ノ木 裕之、狛犬