インタビュー

常に新しく、常に〈俺流〉のサウンドをクリエイトし続けてきた54-71の軌跡を辿ってみよう

『54-71』 LEE V CLEEF(1997)
リリースされて即廃盤になったというファースト・アルバム(2000年にリイシュー)。すでにヒップホップ、フリージャズなどを採り入れた独自のジャンク~オルタナ・サウンドを構築。真剣での決闘を思わせる緊張感は、真のハードコア・スピリッツを体現する新星として話題を呼んだ。

『untitled』 LEE V CLEEF/ラストラム(2000)
サッと空間を入れ替えてしまうような、パキッとした緊張感を帯びはじめた2作目。音数を極限まで少なくするという方法論を押し進め、恐ろしく殺伐とした風景を描いている。しかし、ここまで行き切ることで、次回作からは徐々に変化の兆しが見られるように。

『reprise』 ラストラム(2001)
サウンドの深い落ち込み具合と、闇で蠢くようなタイトかつヘヴィーなグルーヴが強烈。全体的に単調なリズムが生み出す、ドロドロに混沌としたサウンドのうねりが特徴で、ギターがかすかに聴こえる程度なのも興味深い。言い知れぬ不安が渦巻く、キケンなムードが病みつきになる。

『enClorox』 BMG JAPAN(2002)
静電気がビリッときそうなドライな質感と、躍動的なライヴを彷彿とさせる生々しい音作りを志向した作品。初めてシェラックのボブ・ウェストンをエンジニアに招き、スティーヴ・アルビニが所有するスタジオ、エレクトリカル・オーディオでレコーディングを敢行したメジャー1作目。

『true men non-doing』 BMG JAPAN(2003)
本作もボブ・ウェストンがエンジニアを担当したが、スタジオはジョン・マッケンタイアのソーマで。前作の方向性をより極端な形でサウンドに反映させた作品で、低音の鳴りは過去最高と言って良いだろう。歌メロが際立った曲も増え、“I'm in love”のような名ラヴソングも登場した。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年08月14日 00:00

更新: 2008年08月14日 17:59

ソース: 『bounce』 301号(2008/7/25)

文/冨田 明宏

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