インタビュー

〈中国〉を独自解釈した、サルもビックリな楽曲を紹介!

 『Journey To The West』よろしく、〈中国〉を題材にした作品は非常に独創的なものが多いわけで、ここではそんな〈勝手に解釈曲〉を紹介していきましょう。まずは、ジャマイカ出身のカール・ダグラスがUSに移住して放った“Kung Fu Fighting”(74年発表時に英米揃ってチャート1位を記録)。ドラっぽい音を多用したトラックの上でひたすらカンフーのカッコ良さを讃えた同曲は、バス・ストップやRUDE BONESがカヴァーしているほか、「カンフー・パンダ」や「カンフー・ハッスル」などソレ系映画の挿入歌としても重宝されています。その他、同時期にはカーティス・メイフィールドがサイケデリックな“Kung Fu”を、リー“スクラッチ”ペリーがエキゾ・ダブの名盤『Kung Fu Meets The Dragon』をそれぞれ発表していることもお忘れなく!

 お次は、〈チャカチャカチャンチャンチャンチャンチャ~ン〉のフレーズをイントロでカマしたヴァイパーズ。でも、表題が“Turning Japanese”って!! そういえば、同じく80年代初頭に生まれたアネカのディスコ・ヒット“Japanese Boy”もモロに中華な味付けがなされていて……ムチャクチャです。でもいちばんムチャなのが、“Hole In My Heart(All the Way To China)”で〈穴を掘り続けてたら中国まで辿り着いちゃった〉なんて歌っていたシンディ・ローパー。ここまでくると独創的云々以前のお話ですね。え? 西洋人の間違ったアジア観にゲンナリしたって? とはいえ、日本にだって〈笑っチャイナ〉の掛け声も楽しい関ジャニ∞“関風ファイティング”なんて珍曲が! アーティストの皆さん、中国で武者修行したデーモンを見習って、もうちょっとお勉強しましょうね!


カール・ダグラスのベスト盤『The Soul Of The Kung Fu Fighter』(Sequel)


カーティス・メイフィールドの74年作『Sweet Exorcist』(Curtom)


ヴェイパーズのベスト盤『Turning Japanese:The Best Of The Vapors』(EMI)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年09月04日 22:00

ソース: 『bounce』 302号(2008/8/25)

文/山西 絵美