インタビュー

ヒトからサルへ──デーモン・アルバーンの進化(!?)をおさらい! その1

BLUR 『Leisure』 Food/EMI(1991)
マンチェ・ブームを気にするあたり、まだ人間臭さがプンプンするデビュー盤。いま聴くと、小ザルの如くフロアで跳ね回るためのダンス作品といったようにも取れる!?
(柴田)

Blur 『Parklife』 Food/EMI(1994)
ブリット・ポップ期に放ったブラーの大出世作。天敵の犬たちが牙を剥いているジャケが象徴しているとおり(?)、サル度はかなり低めだ。
(柴田)

BLUR 『Blur』 Food/EMI(1997)
ポップスターとして振る舞うことにも飽き飽きし、ついに悪魔(デーモン)の本性が露わになっていく! 路線変更を図った本作のなかでも、ここでは中国を題材にしたガレージ・パンク曲“Chinese Bombs”に注目しておきたい。
(柴田)

ORDINARY DECENT CRIMINAL 『Soundtrack』 Icon/Atlantic(2000)
腕利き強盗と警察の攻防を描いた同名映画で、音楽を担当。ヒップホップ調の軽快なビートでカー・チェイス・シーンをクールに演出するなど、この頃から物語を引き立てる音作りの才を発揮!
(山西)

GORILLAZ 『Gorillaz』 Capitol(2001)
デーモンがゴリラに変貌した歴史的瞬間で、奇才のダン・ジ・オートメーターとタッグを組み、二次元に活動の場を見い出した一枚。アートワークはサル仲間のジェイミー・ヒューレットが担当。ふんだんに加工されたダビーなサウンドで、時空の境界線を徐々に破壊しはじめる。
(柴田)

TONY ALLEN 『Home Cooking』 Comet(2002)
ゴリラ化した後は、アフロビートを体得。太古のビートと現代のリズムをミックスする術を、本作へのゲスト参加を通じて学習した。
(柴田)

MALI MUSICIANS & DAMON ALBARN 『Mali Music』 Honest Jons(2002)
トニー・アレンとのセッションですっかりアフリカ・モードに突入。で、マリへと渡って現地アーティストと共に初のソロ作を完成。音に対する欲望をムキ出しにして作り上げた一枚だ。
(柴田)

SPACE MONKEY VS. GORILLAZ 『Laika Come Home』 Capitol(2002)
もはや言い逃れはできまい。ジャケットにも登場してしまったスペース“デーモン”モンキーが、ゴリラを独自のセンスで大胆なダブに料理したリミックス盤だ。これをもって、また一歩サル化実現に向けて大きく前進した。
(柴田)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年09月04日 22:00

ソース: 『bounce』 302号(2008/8/25)

文/柴田 かずえ、山西 絵美