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インタビュー

THE BIRD AND THE BEE(2)

やっぱり冒険したいじゃない!

 ヴォーカルも含めて、今回は前作よりも視覚的というか、シネマティックな傾向の強い作品に仕上がっている。その指摘に対しては、こんな答えが戻ってきた。

「以前から私たちはシネマティックな要素が好きだったんだけど、確かに今作でそれはより色濃く出ていると思うわ。ある時代のものを、別の時代の感覚で撮り直している……みたいな。例えば“You're A Cad”なんかは、20年代の映画を70年代にリメイクしたっていうような感じよね(笑)」(イナラ)。

 総じて、無邪気に作られた前作の上に立ち、より冒険心を出して挑んだアルバムと言えるか。

「僕の作ったトラックに関しても、ちょっとした変化が見られるだろうね。具体的に言うなら、ダンス要素っていうのかな。そっちに傾いていると思う。リズム的に、前作ほどソフトではなくなった気がするな」(グレッグ)。

「自分たちの出発点を忘れたくないとは思っているのよ。でもやっぱり楽しみたいし、冒険してみたいじゃない? みんなの期待に応えたいという気持ちもあるけど、それを考え出すとキリがないから、まずは自分たちが楽しんで満足できることをやるのがいちばんだと思ったの。前作も好きなことをやって、それでうまくいったんだから!」(イナラ)。

 そんなふたりの新作は、日本盤にのみ収録のボーナス・トラックも聴き逃せない。コーネリアスとのコラボによる、自動車のTVCMソング“Heart Throbs And Apple Seeds”のことだ。

「もともと僕は彼のファンでね。特に『POINT』っていうレコードが僕にとって大きかった。プロダクションの面で、あれが僕らのファースト・アルバムに影響を与えていたことは間違いない。ファーストを作っていた頃、僕は『POINT』にかなり入れ込んでいたからね!」(グレッグ)。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年12月11日 16:00

更新: 2008年12月11日 17:50

ソース: 『bounce』 305号(2008/11/25)

文/内本 順一