インタビュー

2人の雑多な音楽趣味をちょっとだけ覗いちゃえ!

 イマドキのエレクトロニック・サウンドに、ちょっと懐かしさのあるポップなメロディー──このデュオの音楽性をザックリ言うならそうなるが、前作ならブラジリアンだったり、今作ならフレンチ・ポップだったりと、聴き込むほどにさまざまなジャンルの音楽が入り混じっていることに気付くはず。それだけふたりはいろんな音楽を吸収してきたという証拠だ。イナラは「昔はリッキー・リー・ジョーンズが大好きで、それからプリンスにのめり込んで。そしてブラジリアン。あとは60年代のミュージカルにもはまったの」と言い、グレッグは「ブラジルのトロピカリズモには影響を受けたね。カエターノ・ヴェローゾやガル・コスタとかが大好きで。一方でデヴィッド・ボウイにヴェルヴェット・アンダーグラウンド、あとはクラフトワークやディーヴォにも影響されたな」と話していたものだ。

 ちなみにイナラが今作のヴォーカル面において意識したのは、「ダスティ・スプリングフィールドとかオリビア・ニュートン・ジョンとかドナ・サマーとか」だそう。さらに「歌の個性というより、ある種のディーヴァ性とも言える存在感を私なりに消化してみたの」と続ける。また、シアトリカルな歌い方という意味で、「デヴィッド・リー・ロスをお手本にした」とも。新作に収録された“Diamond Dave”は、「彼に向けての私からのラヴソングよ」とのことだ。
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掲載: 2008年12月11日 16:00

更新: 2008年12月11日 17:50

ソース: 『bounce』 305号(2008/11/25)

文/内本 順一