ドリーミーなフューチャー・レトロ・ポップにメロメロ!
B&B同様、〈未来〉と〈過去〉を混在させてしまった不思議なタッチのポップスが注目を集めている。その最たる例がファイストの出世作『The Reminder』だろう。そんな彼女に続けとばかりに、同作のプロデューサーであるルノー・ルタンを呼びつけたのが、モデル出身のミッキー・グリーン。昨夏の〈サマソニ〉で、往年のフレンチ・ポップを思わせる歌唱とスカスカなビートに骨抜きにされた人も多いのではないだろうか? また、同じくモデル上がりのキャンディ・ペインも忘れちゃいけない。エドガー・ジョーンズに見い出された彼女は、モッドでモンドな雰囲気を持つシンガー。なかでも60'sシネジャズ風の音にトリップ・ホップからの影響が色濃いエコーを効かせたナンバーは、もっと多くの人に聴いてもらいたい逸品である。ちなみに、同じUKにはスキッフルやリズム&ブルースに最新ダンスホール~ヒップホップを投入してしまったレミ・ニコールなるツワモノも潜んでいるので、特にリリー・アレン好きはチェックされたし。続いて紹介するのは、単音シンセやハンドクラップなどを駆使して手作り感満点の〈近未来〉を見せてくれるレンカ。どこかケイト・ナッシュっぽいムードもあって、大化けの予感がムンムンと。なお、これらはまだまだ氷山の一角。B&Bのさらなるブレイクに伴い、より多くの夢見心地なポップスが表舞台に登場してきそうだ。
▼関連盤を紹介。
キャンディ・ペインの2007年作『I Wish I Could I Have Loved You More』(Deltasonic)
カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2008年12月11日 16:00
更新: 2008年12月11日 17:50
ソース: 『bounce』 305号(2008/11/25)
文/山西 絵美